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12ヶ月の詩のつめあわせ

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一年を通し、それぞれの月にちなんだ詩や文章を集めた、季節の言葉のコレクションです。
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記事一覧

11月の詩

十一月、さびしい十一月、黒い十一月….... 朝がすこし許り雨戸のすきまから流れ込む、 私はお…

ほたかえりな
3週間前
96

10月の詩

もしも 思い出をかためて 一つの石にすることが出来るならば あの日二人で眺めた夕焼の空を 石…

ほたかえりな
1か月前
134

9月の詩

1933年8月、一人の女性が夏の終わりと共にメキシコから旅立ちました。 彼女は長期にわたる彼の…

ほたかえりな
2か月前
148

8月の詩

「海、遠い海よ!と私は紙にしたためる。 ── 海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる…

ほたかえりな
3か月前
184

7月の詩

夏の幸せな時間 世界はまるで花のよう ほほえみの時節が来た 6人のきょうだいが活躍する"ケテ…

ほたかえりな
4か月前
166

6月の詩

時には6月にも雪が降り 時には太陽が月の周りを巡る あなたが探しているものは 時にはその目…

ほたかえりな
5か月前
116

5月の詩

きらめく季節に たれがあの帆を歌ったか つかのまの僕に 過ぎてゆく時よ 二十才 僕は五月に誕生した 僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる いまこそ時 僕は僕の季節の入口で はにかみながら鳥たちへ 手をあげてみる 二十才 僕は五月に誕生した 寺山修司の初詩集『われに五月を』に掲載された〈五月の詩・序詞〉 作中では「僕は五月に誕生した」と繰り返されるも、実際の寺山の誕生月は12月です。 それでは5月に生まれたという言葉は、一体どのような意味を持つのか。 この詩を書いた当

4月の詩

時は春 春の朝 朝7時 真珠のごとき露の光る丘の中腹 ひばりは飛翔し かたつむりはサンザシを…

ほたかえりな
7か月前
111

3月の詩

いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのな…

ほたかえりな
8か月前
125

2月の詩

中国茶。ヒアシンスの芳香。薪の火。すみれの鉢──私にとって、それが2月の快い午後のイメー…

ほたかえりな
9か月前
98

1月の詩

1月1日。 一年で最初の日。 オーストリアの詩人ライナー・マリア・リルケはこう書きました。 …

ほたかえりな
10か月前
111

12月の詩

Do you remember The 21st night of September? Love was changin’ the minds of pretenders …

79

11月の詩

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つ…

139

10月の詩

畑は収穫が済んで裸となり、 冬が口笛を吹いて広場を通る。 十月が炎と黄金の衣装で身を飾る、 老いを恐れる女性のごとく。 ── アン・メアリー・ローラー ◇◇◇ 待ち焦がれていた月がやって来ました。 まとわりつく暑気に代わり、肌に触れるのはひやりと澄んだ冷たい空気。 ようやく新しい季節の到来です。 漢文学者である白川静は、この季節について、このように書きました。 【あき(秋)】稲の収穫期にあたり、おそらくそのことを示す語であろう。 どの民族の語でも【秋】は農耕の収穫と