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モヒカンゲームの作り方①「勝てば知力、負ければ運」



 現在クラファン中の『クソッタレ!! 世紀末モヒカン野郎300匹大行進』のゲームデザインに関する裏話シリーズ第一弾。今回は個人的に最重視しているゲームの「後味」についてです。

 これは私はかなり真面目に言っていて、もちろんどういう後味を好むかは人それぞれなので正解とかはないんですが、私はこの後味を真剣に追求しています。

 というのは、運が絡まないストイックなゲーム(将棋とか碁とか)が私はすごーく苦手なんですね。軽く遊ぶ分には良いんですけど、本気でやると辛くなってくる。特に終盤戦の詰めが苦手で、何が辛いって「本当は勝てるはずだったのに頭が悪かったから最後にミスって負けた」という状況に直面すると、帰りの電車の中で、


「おれは……あ、頭が……わ、悪い……」



 と、どんよりしてしまうのです。

 ボードゲームはアクションゲームでない限り、だいたいどのゲームでも何かしら頭を使います。そして、頭を使う事自体は楽しい。けど、頭を使った結果、頭の使い方が足りずに負けるのは辛い……苦しい……! 個人的にはストイックなゲームはそこが参入障壁になっています。(でもやらないわけではないのでお気軽に誘って下さいね)

 もちろん「運要素を排除して、純粋な知恵比べで勝ちたい」という方もいますし、そういった方向けのゲームも一切否定しません。ただ、私の心が弱くて耐えられないだけです! でも、ゲームは遊びだから、耐えられないものに耐える必要もないと思うんですよね。というわけで私は、負けても自分のプライドが傷つかないゲームを真剣に作っています。

 さて、「勝てば知力、負ければ運」ですが、これのポイントは「頭を使う」要素自体は残すことです。残すというか、むしろ最大化しています。「考えること」自体はエキサイティングでファニーだからです。本作『クソッタレ!! 世紀末モヒカン野郎300匹大行進』では……

・スキルカードの購入

・スキルカードの組み合わせ

・ユニークスキルの解放

・スキルの発動ポイント

 などを考えつつ、さらに全体的な盤面を見通す必要があります。

 しかし、そこにダイス要素が加わることで不安定さが生まれます。ダイス要素には難しさもあり、「運次第だから考えても仕方ない」になったらダメです。そうなるとダイスを振る楽しみもなくなるので、「ダイスの確率も加味して考えよう」にする必要があります。本作ではスキルカードにより出目の操作もできるため、しっかり考えて準備すれば運の要素をある程度まで抑えることができます。

 運要素はあるけど抑えられる。しかし、ゼロにはできない。


 これが理想です。「運要素を抑える」ことに思考を使い(楽しい!)、ゼロにできない運要素に一喜一憂する。勝った時は「たくさん考えた」自分の知力を誇って気分良くなれるし、負けた時は「たくさん考えたんだけどな~!」とダイスのせいにすればプライドが傷つかない。「勝っても負けても楽しい」後味です。

 これが私の考える「理想的な後味」です。異論は認める!

過去作のダンゲロスボードゲームもまさにその設計です。考えることはたくさんあるけど、最後はダイスです。


 というわけで、たくさん考えて楽しくなれるし、負けてもスカッと悔しい『クソッタレ!! 世紀末モヒカン野郎300匹大行進』は現在クラファン中です。気になった方はぜひチェックして見て下さい!

⏬日本語ページ

⏬購入はこちらから

https://kickstarter.com/projects/cagami/us300raiders

 次回、第二回はモヒカンゲーにおける「分かりやすさ」について!

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