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コーヒー現像してみよう【現像編】

長々と書き連ねた「コーヒー現像してみよう」シリーズ、いよいよ大詰めです。準備した現像液などを使って現像をしましょう!

【前浴】※蓋はしたまま!
タンクになみなみと水を注ぎましょう。
そのまま現像タンクの中央に突き出ているシャフトをぐるぐるとまわして1分ほど攪拌し、しっかり排水します。
最近仲間内では「この工程はいらないね」なんて言われていて実際やっていませんが、ネガにゴミが付着しないようにとか気泡がつかないようにとか気になる方はやっておくと少々の気休めになるかもしれません。

【現像】※蓋はまだしたまま!
続いて現像液を全部現像タンクに注ぎ込み、現像タンクを床や台にゴンゴンと軽くぶつけます。ネガについた気泡をとるためです。
タイマーを12分にセットしたら…スタート!
以下タイマーを見ながら下のお作法を12回繰り返します。

00 現像タンクのシャフトを時計回りに1回まわす
50 上に同じ
40 上に同じ
30 現像タンクを持ち上げて時計回りに3回円を描くように動かす
20 現像タンクを持ち上げて反時計回りに3回円を描くように動かす
10 定着液をかき混ぜる

ポイントは4つ。
・00~40 シャフトを回すときはネガに現像液がいきわたるようにギャンと回す
・30~20 ベルト式はタンクが大きいので現像ムラが起きやすい。それを防ぐためにシャフト以外の攪拌方法を取り入れる
・20~00 現像タンクは動かさない。攪拌しない時間も大事。
・定着液は12分のうちに少しずつ溶けていきます。焦らず手の空いた時に攪拌しましょう。

ピピピピピ…時間になりましたか?
タイマーを止めて現像液を捨てましょう。
現像液はそのまま廃棄して大丈夫です。
だってコーヒーとビタミンCと重曹ですからね。
現像液はしっかり切ってくださいね。

【停止】※ここでも蓋はしたまま!
現像液がついたままだとそのまま現像が進んでしまいます。
停止処理を行いましょう。
どうするかというと…「水洗い」です。

現像タンクにたっぷり水を入れたら現像タンクのシャフトを時計回りに6回ぎゅるんぎゅるんと回して排水。
これを3回繰り返します。
1回目の排水は薄茶色、2回目の排水はほんのり茶色、3回目の排水で透明になればOK。心配ならもう少しやっても大丈夫ですよ。

【定着】※蓋はまだ開けませんよ!
さぁ、いよいよ仕上げの定着です。
定着液を現像タンクに注いだらタイマーを10分にセットして例のお作法を10回繰り返しますよ。

00 現像タンクのシャフトを時計回りに1回まわす
50 上に同じ
40 上に同じ
30 現像タンクを持ち上げて時計回りに3回円を描くように動かす
20 現像タンクを持ち上げて反時計回りに3回円を描くように動かす
10 静かに待つ

ピピピピピ…
10分経ちましたね。
それでは排水しましょう。
定着液には銀が含まれており、そのまま廃棄することができません。
そこでペットボトルにじょうごをセットして、こぼれないように定着液をペットボトルに移します。
しっかり移せましたか?
ペットボトルに蓋をしてひとまず置いておきましょう。

【水洗】
ここまで終わればもう蓋を開けて大丈夫です!
ガバッと開けちゃいましょう。
お風呂場でやっている人はシャワーの水をジャンジャンかけて現像タンクのシャフトをグリングリン回しながら1分程度流水で流してくださいね。
シャワーないよ!という方は停止処理と同じ方法で。
現像タンクの蓋はつけたままお水を入れて現像タンクのシャフトをグリングリン回して排水を4回ほど繰り返しましょう。特に4回目のグリングリンは長めにお願いしますね。

最後にとっておきの処理を。
「ドライウェル」、本当に便利です。
現像タンクに水が溜まっている状態でドライウェルを指示通りの量入れます。シャフトを回して軽くかき混ぜるだけでもう終わり。
昔は使ってなかったんですが、仲間に進められて使ってみたら本当にいいんです。
まず乾燥してもネガが反らない。
これは本当に厄介な問題でしたが、ドライウェルであっさり解決しました。
そしてほこりもつきにくいのでスキャンするときも手間が減ります。

【片付け】
ドライウェルで洗ったらリールから外したネガの上下にネガクリップをつけて吊るしたまま乾くまで放置です。
どうですか?像はちゃんと出ていますか?
この瞬間は何回やってもドキドキしますね。
ネガが渇くまで数時間そっと放置しておきましょう。

さぁ、締めのお片付けです。道具を洗っちゃいましょう。
肝心の「定着液」の処理ですが、定着液の入ったペットボトルの中にスチールウール1個を入れて24時間放置します。
こうすることでスチールウールが定着液の中の銀を吸着してくれるそうです。24時間経過したらペットボトルの中の液体はそのまま流し、スチールウールが入ったペットボトルは「燃えないゴミ」として処理します。

乾燥が終わったらネガを6コマずつ切ってネガシートにしまっていきます。
ネガに傷をつけちゃった?ネガの切る場所ズレちゃった?
それも自宅現像ならではの「味」ですよ!

お疲れ様でした~。
仕上がりはいかがでしたか?
インスタントコーヒーで現像できるんだ!と楽しんでもらえたらまずはそれだけで十分です。
このレシピはコーヒー現像の仲間に色々と教えてもらいながらブラッシュアップしてきたものですが、正解とかではないんです。「もっとぼんやりザラザラにしたい!」「高温でやったらどうなるの?」「レギュラーコーヒーじゃできないの?」「一晩掛けてゆっくり現像してみたらどうなる?」「現像中シャフトをギャンギャンに回し続けたい!」などなど、このレシピをベースに自分のこだわりを盛り込んで自分なりのレシピを見つけてもらえたら嬉しいです。
その時はぜひ教えてくださいね!


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