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ドラマ「海に眠るダイヤモンド」の「花」と「キラキラ」について

第5話でいづみの正体がついに判明。
もっとひっぱるかと思っていたが、ちょうど中間地点の5話で明らかに。やっぱり朝子ちゃんだった。
1話を観て「いづみ=朝子」と予想してnoteにも書いていたが、実は2,3話と視聴するうちに「もしかして百合子かも」と惑わされたり、「リナの線はなさそうだな」とか、なんだかんだ楽しませてもらっていた。

第1話を観た後に書いた記事↓

ここまでの5話を視聴してきて、毎回どのシーンも見ごたえがあり感動しているのだが、やはり私は朝子(というか杉咲花ちゃん)推しなので、特に朝子がメインで描かれている第3話が好きである。

なにげに第3話のサブタイトル「孤島の花」っていうのが絶妙じゃないですか。というか、2話までサブタイトルってありました?気づかなかったんだけど。あ、2話は「スクエアダンス」か、なるほどこれも良いね。

まず、朝子の初恋ストーリーの描かれ方が素晴らしかった。

端島で行われた映画のオーディションに参加することになった朝子。オーディションの話と並行して、初恋のエピソードが語られる展開に。
初恋の人(鞍馬天狗=鉄平)が海から拾ってきてくれたキラキラの空き瓶をずっと大切にしていた朝子。花じゃなくて瓶を大事にしてたのか。って、ここまで画面によく登場してきた花瓶の意味に、ここで私たち視聴者が気づくことになる。

ちなみに、鉄平の子ども時代の役が「コタローは一人暮らし」のコタローくんだったので、鞍馬天狗のセリフが何だかとてもしっくりきていた。

キラキラしているものが好きだという朝子に、いつもお土産でガラスの置物を買ってきていた賢将。でも、朝子が一番大切にしていたのは幼いころに鉄平からもらった空き瓶で、それはお金で買えるものではない。朝子にとって他の物には代えられないキラキラな思い出の証なのである。

映画の話は嘘だったとわかり、落ち込む朝子。
お花見をしたいと言っていた朝子を鉄平が隣の無人島へ連れ出すシーンも素敵だった。

火葬場しかない島に一本だけ植えられた桜の木。
そこで咲く桜を見ながら、朝子は言う。

「私ね、映画スターになりたかったんじゃなかとよ。ちょっとだけ、食堂の朝子じゃない人になりたかったと。そんだけ」
(花ちゃんの長崎弁が可愛すぎる)

狭い端島の食堂から出られない朝子は、ちょっとだけ「キラキラ」の世界にいる自分を夢見ていたのかもしれない。

そして、外から見る端島の輝きを鉄平に教えられる。端島の中にいるときには気づかなかった「キラキラ」がそこにあった。

3話では格差というテーマも描かれていて、それは現代パートにも昭和の端島にもある。

食堂の娘である朝子と、職員の娘である百合子。百合子がオーディションの日に着てきた黄色のチェック柄のワンピースは、朝子には買えなかったワンピースだった。

現代に戻ると、豪邸で豪華な食事をするいづみ一家と、生活も安定していない玲央。いづみの娘は、その娘(いづみの孫)のためにホストに簡単に400万円も払ってしまう。そこにいら立ちを隠せない玲央。

「朝子=いづみ」とわかった今、ふと考える。貧乏だった朝子が成功して得たものって何だったのだろう。そして、第3話でいづみが玲央にこぼしていた「なんかだかね、間違えた気がする。私の欲しかった人生ってこんなんだったかしら」という言葉を思い出す。朝子が求めていた「キラキラ」はそこにあったのだろうか。

第3話では、桜をはじめとする「花」にまつわるエピソードが多いのだが、ドラマ全体を通して「花」がよく出てくる作品である。そもそも、演じているのも花ちゃんだからね。そして主題歌「ささやかな花でいい~」がかかるタイミングも絶妙。この「ねっこ」も常田さんにしてはとってもまっすぐな歌詞で「花」がベースになっている。

いづみさんの会社も、おそらく植物を扱っていると思われる。これまでの情報から屋上庭園を造ったりしている会社のようなので。
「花」や「植物」への思い入れが強い朝子だから、そのような会社を作ったことも予想できる。それも詳しいことはこれから明らかになっていきそうだけど。

「孤島の花」って、あの無人島に植えられた桜の木のことを言っているのだろうけど、端島で懸命に生きる朝子のことでもあって、さらには現代で孤独を感じるいづみさんのことでもある。のかなと、私は感じた。

さて、第5話ではDNA鑑定の結果がわかり、玲央と朝子は血がつながっていないことが判明。玲央が鉄平の孫だとすると、朝子と鉄平は結ばれないってこと?そして、いづみさんの亡くなった夫って誰なの?いけがやさん、って誰?SNSで考察いろいろ出てきておりますが、賢将が有力候補かな。

第5話では賢将に感情移入して応援したくなってしまったが、朝子の思いに気づいた鉄平とのやりとりも愛おしすぎる。

えー、朝子と鉄平、2人に幸せになってほしいよ。

進平さん(斎藤工)とリナ(池田エライザ)もこのまま幸せになるって感じもしないし、炭鉱産業が衰退していくことがわかっているだけに、この先のドラマの展開が重くなりそうで想像するのが辛いのだが。

でも第6話の予告やあらすじを見るかぎりでは、まだ幸せそうな鉄平と朝子が見られそうなので、楽しみにしていよう。

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