
ドラマ「海に眠るダイヤモンド」第6話を何度も観ている
今観ている他のドラマについても書きたいことがたくさんあるのに、また「海に眠るダイヤモンド」の話になってしまう。だって、あの第6話を観たら、何か残しておきたくなってしまう。
このドラマはいつも、予告の映像から想像していたものを大きく超えてくる。
第6話は特にそう感じたし、想像していた以上に「愛」にあふれた回だった。
以下、ネタバレあります。
第5話では、炭鉱でのストライキ、賢将(清水尋也)親子の孤立、リナ(池田エライザ)がらみの事件などが描かれ、その物騒さがまるで端島の行く末を暗示しているようにも思えた。だが、第6話の予告では、朝子(杉咲花)や鉄平(神木隆之介)たちの幸せそうな姿が映し出されていて、まだ楽しく観られそうだと安心した。
1955年から描かれていた端島パートも、1963年まで進んでいる。
第5話で現代パートのいづみ(宮本信子)が朝子であるということが判明したことで、端島でのドラマがより鮮明に見えてくる。
第6話では、お正月風景や緑化計画など、端島での人々の生活を描きながら、3人のヒロインを主人公とした愛の物語も大きく動く。
リナと進平(斎藤工)はすっかり夫婦のようになっており(籍は入ってない)、子どもを授かる。第1話冒頭のシーンでリナが抱いていた赤ん坊は、おそらくこの子じゃないだろうか。ということは、何か良くないことがこの先に。。
いやいや、そんなことは考えなくてもいいって思わされるほど、2人は幸せそうだった。出産したリナと赤ちゃんのもとへ駆けつける進平さん、その喜びに満ちあふれた表情が素敵で、見ているこちらも自然と笑顔になる。斎藤工さん、進平の「明」と「暗」の両方を上手く表現されている。
それから、百合子(土屋太鳳)と賢将。
あのプロポーズ、今思い浮かべるだけでも涙が出そうなくらい感動的なシーンだった。百合子が背負ってきたものをすべてわかっている賢将。そして、端島で孤立する賢将のそばにいつも一緒にいてくれた百合子。ここまで描かれてきた二人の物語をすべて回収するような素敵なシーンだった。
おそらく百合子は、被爆した自分は結婚することができないと考えていた。薬指に指輪がはめられたときの百合子の反応からそれを読み取れるし、ここの土屋太鳳ちゃんの表情が本当にリアルで、そのお芝居に引き込まれた。
ロマンチックすぎない賢将の言葉もまっすぐ伝わってくるし、プレゼントと言って差し出された指輪がくしゃくしゃの紙に包まれていたのも良かった。
そして何と言っても最高だったのが、鉄平と朝子の告白シーン。
これ、あまりにナチュラルすぎて、本当に花ちゃんに神木くんが告白してるんじゃないかと思ってしまうほど。
ここのシーン、どんな感じで演出が決まっていったのだろう。アドリブとかあったのかな。ここのメイキング映像があったらぜひ見たい。
ずっと好きだった鉄平から告白されたら、そりゃそうなるよね。っていう、花ちゃんのリアルなお芝居に、自然と引き込まれた。
いつか屋上いっぱいにコスモスの花を咲かせたい朝子は、その種を鉄平に渡して言う。
朝子:鉄平、わたしお婿さんになる人とコスモス植えたいけん、持っといて
鉄平:朝子? あのー、どういう意味?
朝子:このふうけもんが
何ですか、このやりとり、可愛すぎる。
いつまでも見ていたいと思うほど、愛おしくて、素敵な二人だった。
他にも、賢将の父・辰雄(沢村一樹)の息子への愛情もわかったし、彼らの端島での孤立問題も良い方へ向かっていた。
朝子も屋上庭園という人生の糧のようなものにも出会えたし、とにかく端島がハッピーに包まれていた回になっていた。
一方、現代パートでは、鉄平の日記を玲央が読み進めている。
朝子が鉄平に渡したコスモスの種は日記に貼りつけられたままだった。
それは、鉄平と朝子が端島で結婚できなかったということを示している。
この、花の種が軸となるストーリー構成、とても良い。
第6話のサブタイトルが「希望の種」というのも良い。
端島で鉄平が植えられなかった種が、50年後に玲央によって植えられ、奇跡的に芽を出す。端島で花を咲かせることができなかった「希望の種」は、時を超えて、いづみ(朝子)と玲央の「希望」となって、芽を出す。
では、なぜ鉄平と朝子は結婚できなかったのか。
鉄平は今どうしているのか。
第7話以降では、このあたりの謎を追っていきながら、端島のこれからが描かれると思われる。
この感想も第7話放送前までに書きあげるつもりが、まったく間に合わず、実はすでに第7話も視聴済み。7話の序盤はまだみんな幸せそうにしていたのにな。端島に生かされているという鉄平は、これからどんな選択をしていくのだろう。
あと、考察のようなものを少し。
第6話から登場の前原瑞樹さんが気になっている。朝子の食堂で働いていている虎次郎っていう料理人の役らしい。前原さんがこんな少ししか映らないまま終わるかな、という素朴な疑問もあるし、集合写真にも割と目立って写っていたので、もしかしてこの人が朝子の結婚相手なのでは?
なんて思ったのだが、ただの友情出演ということもあり得るか。
最後までお読みいただきありがとうございます。