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自分軸の作り方#60 大切なともだち
20年以上前のことなのだけれど
私の友達(5歳くらい年下の女性)で、
幼いころ親に暴力を受けて育ったという子がいた。
仕事の関連で知り合い、歌の上手な子で
時々カラオケに誘われたりする中で
すごく私を慕ってくれるようになり
だんだん 自分の本音を語ってくれるようになった。
その子が、おめでた婚をした。
彼女は、子どもを産んでから
すごく子どもが可愛いのに 急にイライラして
子供を殴りそうで怖い、と言って苦しんでいた。
自分がされたようなことだけは、したくない。
したくないのに、衝動が襲ってくる。
何度かその話を聴いていた。
私はまだ結婚していなくて
子育ての大変さも全然わかってなくて
なんて言っていいのかわからなくて
「大丈夫だよ、ちゃんと愛せてるよ
○○ちゃん(子どもの名前)は、ママが大好きやん」
そんなふうに声をかけていた。
でも、彼女は耐えきれなくなったようだ。
ある日、1歳の子どもを残して
この世を去る決意をした。
得体のしれない不安や恐怖が体を駆け巡り、
言葉にできなくて苦しんだんだと思う。
どうしても、どうしても わが子を傷つけたくなかったんだと思う。
彼女の愛の形は
あまりにも悲しかった。
棺の中の彼女に
すごくすごく辛かったんだね。
子どもを守りたかったんだね
でも、悲しいよ
残された子どもは やっぱり生きててほしかったと思うよ
わたしも もっと話がしたかったよ
そう 話しかけた。
わたしには何もできなかった。心にぽっかり穴が開いた。
でもずっと 心の中に彼女はいてくれている。
子どもの虐待関連のニュースを見るたびに
彼女を思い出して キュッと胸が痛む。
「幸せな親子が、増えてほしい」
そう彼女が言っているような気がする。
もし、彼女が「子供を殴りそうで怖い」と言っていたあの時
私が「ちゃんと泣ける子に育てよう」に書いてあることを
知っていたら
思いやりコミュニケーションを知っていたなら
なんて伝えていただろう。
抱きしめてあげられただろうか。
まっすぐな言葉で 彼女の心に寄り添うことができただろうか。
タラレバの話は意味ないかもしれないけれど。
ねえ
あなたは命を懸けて 子どもを守ったんだね
それくらい、子どもが大事だったんだね
でもやっぱり 大切なともだちには
生きててほしかった。
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