『SAND LAND』~kaf

主は、漫画の中で1番好きな作品は何かと聞かれたらドラゴンボールと答えると思う。
キャラクターもバトルも世界観も好きで、漫画もアニメもゲームも出来る範囲で触れてきた。

主にとってとても大きなドラゴンボールの原作者である鳥山明先生の作品なので観に行かないわけがなかった。


素晴らしかった。
ラオとベルゼブブとシーフ、それぞれがそれぞれに誇りを持って生きていた。
その姿に泣きそうなってしまった。

目の前の煩雑な事や身近なことに左右されることなく、自分の心の中の指針に従って行動する姿ってこんなに格好良いのかと思った。


ここから軽くネタバレですけど、





わりと序盤のシーンで、フィジカル的に相当な力を持っているであろうと思われるキャラがかなり早い段階で別に無敵というわけではないことを自白する。
安全装置というか、「こいつがいればなんとかなるっしょ」的偏見があっさり否定されるシーン。
とてもサラッと描かれていたが印象に残った。

このシーンが後々キーとなる描写だったのではないかと鑑賞後に思った。
主要メンバーのパワーバランスはフラットではないが、各々の得意分野を持っている。

上記のキーとなるシーンからしばらく冒険が続き、そしてラスト、敵地での戦闘シーンに入る。
ここから決着までの流れの中で、主要メンバー3人のコンビネーションが素晴らしい。

最強ではないと冒頭で暴露したキャラがたった1人で大勢を相手取るシーンがある。
圧倒的不利な状況の中、メンバーの1人が手を貸そうとする。
が、それを戦闘中のキャラの相棒ポジションのキャラが制止する。
「彼は強大なポテンシャルを秘めているから、ここは任せて我々は先に進もう。」(セリフは正確ではないです。)と諭される。
それでも、1人に任せるのはあまりに酷だ、と加勢しようとする。

主はここで、冒頭の安全装置的強キャラではなかったことが暴露されるシーンが思い起こされた。
確かにたった1人ではこの窮地を脱することはできないだろう、と。

予想通り、最初は善戦するも次第に瀕死に追い込まれていく。
主はこの時点で、「ああ…見てられねー…!」と少年の心に戻っちゃうくらいに集中していた。

しかし、潜在能力を解放してあっという間に形成逆転。見事勝利をおさめる。

ここで主が感動したのは、秘めた可能性を解き放つことで勝利を掴み取ったことではなくて、「ここは俺に任せろ。」と言い切ったその気概を真摯に受け止めた相棒的キャラの信頼感に対してだった。

誰かに背中を預けるとか、誰かの背中を守るとか、お互いに信頼し合ってこそ、1人じゃないからこそ繰り広げられるやり取りに強く感動した。

ベタな展開なのかもしれない。
漫画やアニメ映画等にとってはよくある関係性なのかもしれない。
けれど、そうは感じさせない声優陣の見事な演技。
ダイナミックなアニメーション。
製作陣の皆様の総合力によって心を突き動かされたように思う。


一人一人のキャラクター全員が、それぞれの誇りを胸に真っ直ぐ生きている姿が素敵だった。
観に行けて本当に良かった。

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