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​カフェを開いたら「(続)ぶっちゃけお客さんは何人くらい来るのか~最小人数を見据える~」│カフェ開業メソッドvol.12

個人店がとるべき戦術は「価格競争をしない、メニューの数を増やさない、大きなハコは避ける」等、述べてきたと同時に、「あまりにニッチでマニアックな商品では勝負しない、小さすぎるハコではやらない」などの注意点も強調してまいりましたが、全てひっくるめるとやはりそれは「弱者の兵法」ということでよいと思います。

ネガティブになるのではなく、弱者が強者を打ち負かしてしまう下克上を楽しむくらいの気持ちで参りましょう。スポーツの世界で、けっして戦力は豊富とはいえないものの、物凄く優秀な成績を残したというケースがありますよね。

元中日ドラゴンズの落合監督(在位8年中7年が1位か2位、もう1年は3位、つまり全てAクラス)、元サッカー日本代表の岡田監督(W杯決勝T進出)、そしてノムさんの野球(ノムさんの詳細はもういいですよね)・・・

これら全てに共通している点は何か?

はい、とにかく「しっかり守る」「失点をしない」これに尽きます。

個人店のオーナーもやはりこの、一見地味ではあるが、ディフェンス重視の姿勢こそが重要です。客数でいえば、最大人数よりも「最小人数」、売上も「最低売上」のほうを常に意識するということです。

そして本題いきます。最低客数という発想として、席数と同数、1回転という考え。

言い方を変えます。席数と同じ人数を損益分岐点の人数として考えてみてください。理由や根拠は後にまわしますが、まずこのシンプルな考えをどうか信じてみてください。素直に従ってみた人ならきっと「最低でも20席は必要」という事実に気が付くはずです。

どうやって20席を確保するのかなどの話もそのうち必ずしますが、今はとにかく「席数=一日の損益分岐点の人数」という公式を叩き込んでください。

勘違いしないでほしいことがあります。それは当たり前の話なのですが、損益分岐点というのは「トントン」なわけですからそこを目指してる場合ではありません。というより「トントン」というのは商売ではなく「趣味、遊び」と敢えて言い放ちます。守備的なのか攻撃的なのかだんだんわかんなくなってきてるかもしれませんので(笑)、ここで大切な話をします。

1ヶ月の営業の中で、
「席数と同数のお客さんの人数を下回った日が1日も無い状態」
というものを全力で目指してみてください。

間違いのないようにいいますが、「平均で」ではありませんからね(※平均でこの人数だとトントン、つまり店は潰れます)。

たった1日でもこの最低人数を下回る日がないようにするということです。実際にやっていればわかることですが、これが相当難しいんです。ただ絶望的に無理なのではなく、かなり近いところ、つまり「その月のうちたった1日だけ下回った日があった、2日だけあった」みたいな惜しい月もあるかもしれませんが、本当にただの1日も席数を下回った日が無い日というのはなかなか難しいのです。

その日の天候や気温、交通事情、天変地異、いろんな付帯状況も含め、1ヶ月営業していると「店が死んだように人が来ない日」ってあるものです。

私のお店の場合、席数が27席ありますが、少し背伸びして、「1ヶ月のうち30人を下回った日が1日もない月」を「完全試合」と呼んでいますが、これが実に難しいんです。いきそうでいかないんです。惜しくはあるものの何故か達成は非常に困難という、目標設定としては本当に絶妙なハードルといえます。

この近辺で最低客数を常に維持し、実際は平均すると1.5回転くらいになってくると、ある程度そのお店は軌道に乗ったと言ってよいと思います。平均客数が同じ1.5回転と言っても、やけに人が多く来た日がたくさんあったことで平均を稼いでいる場合はあまり安心出来ず、あくまでも「最低人数を全てクリヤした状態」の結果での平均1.5回転を心がけ、目指すところは平均2回転のところに目線をおきましょう。

ちなみに私のお店の2019年3月の総来客数は12,010人で25日営業でしたので、1日あたりの平均人数は48人。回転数でいえば1.78回転ということになります。

その日の客数や単価がやたら多い日を「味方の援護に恵まれた大量得点」とし、席数を下回った客数の日を「失点、または黒星を喫した日、負けの日」とするならば、とにかく「負けない日」という部分だけを意識してみてください。

しかしここでもひとつ重要な注意事項があります。

たとえば「火曜日に負ける時が多い」「雨の日が調子悪い」等だんだんわかってきますよね?そこで「火曜日と雨の日は100円引き」などといったことをしてはいけません。既に述べているように「値引きや価格競争はしないことに決める」わけですから、調子の悪い日になんらかのキャンペーンをしたりもしないでください。

ではどうすればいいのか?

何もしないでください(笑)。

すべきことは「勝利や得点」を見据えるのではなく、ひたすらに「負けを無くし、失点を減らす」というところを見据えるのです。見据える、そう、目線や意識の先をそこに持っていくということです。

そんな、実際に策を講じるでもなく意識の違いだけで何が変わるんだ!って思いますよね?

断言します。絶対に変わります。

これが私が提唱するディフェンシブ営業のススメです。

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