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Vol.32 文明ロード最終回「ロードから通信へ、まだまだまだまだつづきは残ってる」

この文明ロードってやつは、「開店までの実況中継」っていうのがテーマなんで、開店してしまった今、お役御免なのである。
だから今回が文明ロードの最終回です。
今まで読んでくれてありがとうございました。
さて、今後ですが、お店の運営実況中継的な趣旨に変えて、装いも新たに、「文明ロード」改め「文明通信」となります。
名前が変わるだけで、またなんか始まるんかい!そうです(笑)。
そんなわけで、今回の文明ロード最終回ですが、まず皆さんにお詫びしたいことがあります。
それは・・・
実は、珈琲文明は、7月7日ではなく、6月16日から既にオープンしてました・・・。
もちろんグランドオープンはこないだの七夕で間違いないんですが、いわゆるサイレントオープンという手法で、プレオープンってやつです。
サイレントオープンの趣旨というのは、最初から爆発的に宣伝とかして、集客したものの、オペレーション&スキル不足のために、大切な初回のお客様に不快な思いをさせないために、宣伝もせず、あたかも前からそこにとっくにあったかのように、ヒッソリと開店すること。
一般的には、この期間に親戚・友人・知人などを呼んで、内部オペレーションのチェックをはかりながら、店内をブラッシュアップしていくのだが・・・、
俺がこのサイレントオープンっていうのをやりたかった本当の理由は、これら一般論とはちょいと異なる。
俺は、何の宣伝もなく、口コミもまだ起こるわけもなく、ただそこをフラーっと通りがかったというだけで、「ほう、こんなのが出来たんだ、入ってみっか」っていう人を見てみたかったからである。
友人・知人じゃない完全純粋新規の人と出逢いたかったからである。ホントにただの興味本位である。
特にサイレントオープンしてからの、いっちばん最初、NO.1、記念すべき第一号のお客さん、っていうのはいったい誰なんだ、っていう興味、今後俺が死んでも残るつもりで、永きに渡り運営していくこの店の第一号お客さんって、どんな人なんだろう?っていう、とてつもない興味があった。
そんな第一号のお客さんに向けて手紙(実物は手書き)を書いた。
この手紙をもって文明ロード(完)としたい。

珈琲文明来店第一号のお客様へ
初めてのご来店 ありがとうございます。
当店にとりまして、あなた様が初めてのお客様になります。
このお手紙はオープン前に書きました。
当店がオープンして、一番初めに来店されるお客さまは、いったいどんな人なんだろう、
男性だろうか?女性だろうか?
年上だろうか?年下だろうか?
いろんな想像にワクワクしながら、今この手紙を書いています。
あるいは、こんな手紙を突然渡されて困惑なさるかもしません。
でも、抑えきれない思いを込めたこの手紙を直接手渡したい気持ちは、
もうどうしようもありません。
珈琲文明は本日この瞬間から、百年続けていくのが目標です。
大袈裟な!と笑ってください。
しかしこれは大真面目に思っています。
つまり私が死んでもこの店は残したい、という、とにかくかなりの長きに渡って続けていきたいというのが、目標です。
こんな具合に考えておりますもので、「これから百年続くこの店の、記念すべき第一号のお客様」ということで、こちらとしましてはかなりの興奮状態にありますので、実際にお客様がいらした時の自分の感情、表情、がどのようなものなのか、自分でも想像ができません。
今回、本当の意味で、第一号のお客様を知りたいということから、親戚、知人、友人にいたるまで、かなり徹底して、本当のオープンの日も伏せて参りました。
大掛かりな宣伝もせず、ひっそりと開店してみました。
そんな中で、最初の扉を開けていただいたわけです。
この縁を大切にしていきたいと思います。
今後、何十年後かにこの店が「老舗」と呼ばれるほどになった暁に、「この店は私が第一号の客なんだ」と感慨深くなっていただけるよう、これから頑張って運営していきますので、よろしくお願いします。
同時に第一号のお客様にはいつまでも元気でいていただきたいので、いつも、いつまでも、ご多幸をお祈りしております。
突然こんなものを渡してしまい申し訳ありませんでした。
ただ、私自身、随分前から、お客様第一号の方に早く会いたい、という気持ちでいっぱいでした。
本日、やっと会えました。感激です。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
 2007年6月16日
珈琲文明 赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智


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