Vol.7「客層およびターゲット」
現在みなさんの地域では、どのへんの年齢層の人が一番多いかご存知だろうか。
商工会やポータルサイト上で調査結果を見る前に、俺は白楽の予想をしてみた。
結構年齢層は高く、50代~70代の人たち、あるいは神奈川大学があることで、18~20代前半の若者たちも多いんだろうなぁ、という感覚があった。
さて、データ結果を見てみよう。
駅前商店街で店舗ビジネスをする際の目安として、一日の乗降客数が2万人以上、というのがあるが、白楽の乗降客数は3万8千人。
その中の年齢層内訳のベスト3は~
一位・・・30歳~34歳(9.8%)
二位・・・25歳~29歳(9.4%)
三位・・・35歳~39歳(8.5%)
この調査結果からいくと、ターゲットはなんと20代(しかも後半)から40代までの人たちということになる。
まぁ、人数のデータからマーケティングに結びつけるといのは、当てになるものとならないものがある。
特に「店前通行量×吸引率」というマーケティングリサーチ方法があるが、こんなもの小規模個人店にとっちゃ、何の役にもたたない。
こういうのは超繁華街に出店出来る大手に任せとけばいい。
が、しかし、このことを十分踏まえてもなお、俺はこの20代後半から40代までの、特に女性、をターゲットにした店作りが必要だと結論づけたい。
20代~40代までの人というのは、感覚的に10代の若者と同じ感性(スタイリッシュな部分など)や同じ笑いのツボを持ってたり、またもっとずっと高齢の人の同様な感覚も両方持ち合わせている世代だと思う。
ここに合わせた店作りをすることは、ひいては全年齢層にアプローチしてるともいえると思う。
ところで、「白楽」=「神奈川大学がある街」、つまり学生街。
ターゲットは大学生じゃないの?って思う人も多いと思うが、俺は大学生はメインターゲットではない、と断言する。
ターゲットの一部ではあるけど、メインではない。
実際俺は神奈川大学生(以下神大生)の登下校時の追跡調査をしてみた。
白楽駅と神大を結ぶ導線である「六角橋商店街」を神大生は確かにガンガン通り過ぎる。
特に朝は絶え間なく、よどみなく通り過ぎる。
そう、「通る」んじゃなく、「通り過ぎる」のである。スルーである。
一心不乱にただ歩いているのである。
これを読んでる人も心当たりがあるのではないか。俺もそうだった。
立教大学に行くには、池袋の西口なり南口なり、いろんな行き方があるが、最終的には一本の道に絞られる。
誰もがそこを通るというその道の出発点に、リーズナブルプライスのコーヒー店がある。
スタバはもちろん、ドトールよりもしかすると古くからやってるかもしれない。
俺が入学した頃から既にあり、今もしっかりある。
最低でも20年以上続く店なのだから、さぞかし立大生のたまり場だろうと思うかもしれない。
しかし、この店にはあまり学生は入らない。というか、もともとこの店はコーヒー豆を他の喫茶店などに卸しているいわば豆屋である。だからハナから喫茶の集客は問題じゃないっていうのは断っておこう。
俺はただの一度もこの店に入ったことがない。
先日もコブシャウの新年会がそこの近くの居酒屋(300B)であったとき、俺は一時間近く早く着いてしまい、どうしようかなぁと思い、そこの向かいのサンクスで「カレーの本」なるものを立ち読みしながら、その時も結局あそこの店一度も行ってないなぁ、とか窓越しに思いながら、やっぱり行かないのである(笑)。
この店に何も悪いところなどない。それどころか、自家焙煎で香り立つ匂いが新鮮豆を使用していることを物語っているし、値段も安いし、相当良い店であることは間違いない。
だいたい20年以上続いてる超優良店のそこは、まだオープンもしてないおたまじゃくしみたいな奴にいろいろ言われたかないだろう・・・。
おたまじゃくしの戯言ついでに、もしもこの店が、登校方向ではなく、立大生の下校方向での視認性があれば、そして外から丸見えでなければ、立大生も入るのになぁ、などと大きなお世話です、はい。
このほかにも誰もが通る道沿い一階路面店に美容室があったりするんだが、広い間口で一面ガラスばり。客は入ってるようだが、当時の俺だったら入りたくない。
「あ、おじゃ丸、髪切ってやんの」とまでバカにされるいわれはないが(笑)、なんとなく察知されたくないんで。
これと同じような意識が神大生にもはたらくはずなのである。
実際に神大生に聴いてみたところ、やはり飲み会なんかは白楽じゃなく、横浜に出ちゃうらしい。
だから神大生はうちのメインターゲットにはなりえない。
でも「メイン」じゃないまでもメチャクチャ意識はしていく。
ごく一部のコアな神大生に支持されるべく、営業努力はしていきたい。
大学校門前チラシ配布や、アート系、アコースティック系音楽サークルの発表会や定期演奏会のパンフレットへの広告掲載の協力などは惜しまずやりたい。
でも学生のたまり場にはしたくない。というよりそれはありえないようになっている。
なぜならウチは高単価設定の店だからだ。
こういう店では勉強したりサークルの打ち合わせをしようなんていう発想にならないだろうから。
入店の際、多少なりとも少し襟を正す、とか姿勢をピンとするみたいな、軽い緊張感を持って入ってもらい、そして入店後はとことんユル~くなごんでほしいなぁと。
「高単価の店」と言ったが、珈琲ともう一品(ケーキやカレーパンなど)オーダーしても千円でお釣りがくるようになっていて、十分学生のおこずかいの範囲だし、
こうして高級イメージを確立することで、一部の神大生の自尊心やお洒落心に訴えることも出来ると思う。
次回は更に突っ込んで、俺が最も意識するお客様(お客様は選んじゃダメだよ!というお叱りも受け止め)について述べていこうと思う。