孤独を優しく照らす韓国SF「わたしたちが光の速さで進めないなら」
文学ラジオ第35回の紹介本
「わたしたちが光の速さで進めないなら」
キム・チョヨプ 著
カン・バンファ、ユン・ジヨン 訳
早川書房
韓国でベストセラーとなった、若い作家のSF短編集です。現代的な感覚から紡がれる、孤独に寄り添う7編の物語。ラジオでは3編を紹介しています。「巡礼者たちはなぜ帰らない」「共生仮説」「わたしのスペースヒーローについて」
SFの発想力と優しさの想像力がかけ合わさり、未来を感じるとともに心にも響くSF小説でした。科学技術が進化した未来では優れた人間をつくることができたり、社会がより成熟していくのですが、そんな未来で取り残されてしまった人々を優しく照らすスタンスがありました。どの短編も素晴らしかったです。
本書のあらすじ
打ち棄てられたはずの宇宙ステーションで、その老人はなぜ家族の星への船を待ち続けているのか…(「わたしたちが光の速さで進めないなら」)。初出産を控え戸惑うジミンは、記憶を保管する図書館で、疎遠のまま亡くなった母の想いを確かめようとするが…(「館内紛失」)。行方不明になって数十年後、宇宙から帰ってきた祖母が語る、絵を描き続ける異星人とのかけがえのない日々…(「スペクトラム」)。今もっとも韓国の女性たちの共感を集める、新世代作家のデビュー作にしてベストセラー。生きるとは? 愛するとは? 優しく、どこか懐かしい、心の片隅に残り続けるSF短篇7作。
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