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【第4〜6回】『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林 上・下』

こんにちは。
文学ラジオ空飛び猫たちです。
2020年にお送りした文学作品を紹介していきます。

硬派な文学作品を楽しもう!をコンセプトにしたラジオ番組です。毎週月曜日7時にpodcast等で配信しています。ラジオをきっかけに、文学作品に触れていただけると嬉しいです。

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【第4回】『三体』劉慈欣著 〜中国発世界的ベストセラーSF三体!! え?11次元ってどういうこと??〜

あらすじ
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?
本書に始まる《三体》三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

感想・どんな人に読んでもらいたいか
ダイチ
SFファンと言えるほどでもないですが、小説以外でも映画や漫画で触れることが多いジャンルです。今まで触れてきたものは、ある程度知っていることの組み合わせで、目新しさという点ではあまり更新されることはなかったのですが、この三体は更新されまくりです。あまり他では見ないSF的なアイディアが多すぎて、読んでいて興奮しっぱなしでした。読んでる途中も、読み終えたあとも「やべえ」みたいな感じで、良い意味で語彙を失う小説でした。この小説を読んだ友達が言っていたのが、「天才が本気で、真面目に書いた馬鹿小説」。これは言い得てるなと思いました。ラジオでも「三体やばい」と連呼していたと思います笑
たぶんSFが苦手な人には合わないので無理はせずに笑 でもSF好き、わけのわからない規模の大きな話が好きな人で、もしまだ読んだことがない人はとりあえず読んでほしいです。少年漫画の要素満載なのでそういうのが好きな人にもぜひ!

ミエ
去年読んだ本でトップ3に入るおもしろさでした。一言で言うなら、壮大です。中国の文化大革命から始まったと思ったら、主人公の一人、文潔(ぶんけつ)の大河ドラマばりの劇的なドラマがあって、いつの間にかもう一つの宇宙が出てきて、それが三体という星のある宇宙なのですが、気づいたら宇宙レベルで地球がピンチになって、もう一人の主人公が絶望しながら奮闘する、それもなぜか現実社会だけでなくVRゲームでも奮闘しないといけないという話です。ドラマとしてのおもしろさと、スケールの大きさと、笑えるポイントの多さで、最高のエンタメだと思います。はまるとページが止まらなくなります。を『三体』を読むと現実の悩みや不安がふきとびました。
とにかくおもしろいので、普段小説は読まないけど、漫画のキングダムは好きだとか、映画は観ているという人にも読んでほしいと思います。劉慈欣の想像力にびっくりして、世の中にこんなエンタメがあるのかと驚くと思います。それと日本が関係するエピソード(三菱電機)もいくつかあって親近感も感じれます(二巻の方が日本がらみの話は多いですが)。あらゆるジャンルの中でもエンタメの最高峰だと思います。

【第5回】『三体Ⅱ 黒暗森林 上』劉慈欣著 〜Ⅱの主人公には脳内彼女がいる〜

あらすじ
人類に絶望した天体物理学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ、ようぶんけつ)が宇宙に向けて発信したメッセージは、三つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いた。新天地を求める三体文明は、千隻を超える侵略艦隊を組織し、地球へと送り出す。太陽系到達は四百数十年後。人類よりはるかに進んだ技術力を持つ三体艦隊との対決という未曾有の危機に直面した人類は、国連惑星防衛理事会(PDC)を設立し、防衛計画の柱となる宇宙軍を創設する。だが、人類のあらゆる活動は三体文明から送り込まれた極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)に監視されていた! このままでは三体艦隊との“終末決戦"に敗北することは必定。絶望的な状況を打開するため、前代未聞の「面壁計画(めんへきけいかく、ウォールフェイサー・プロジェクト)」が発動。人類の命運は、四人の面壁者に託される。そして、葉文潔から“宇宙社会学の公理"を託された羅輯(ルオ・ジー)の決断とは? 中国で三部作合計2100万部を突破。日本でも第一部だけで13万部を売り上げた超話題作〈三体〉の第二部、ついに刊行!

感想・どんな人に読んでもらいたいか
ダイチ
まずびっくりしたのは前巻の主人公が出てこない点です。そしてⅡの主人公ルオ・ジーが脳内彼女がいるようなクレイジーな人間なんですね。それと急に少年マンガっぽさが増してきて、ストーリー的には前巻よりもⅡの方が断然わかりやすかったです。そしてスケールがどんどん大きくなっていく感じがたまらなかったです。

ミエ
Ⅱの主人公ルオ・ジーがおもしろい。とにかくめちゃくちゃな人間で、人類の命運を託させれた4人に選ばれながら、与えられた特権をいいことに優雅な生活を送り、世界中を敵に回してしまいます。前巻よりスケールアップしたⅡですが、登場人物の人間らしさやドラマも前巻同様に魅力的です。

【第6回】『三体Ⅱ 黒暗森林 下』劉慈欣著 〜三体祭り完結編〜

あらすじ
三体世界の巨大艦隊は、刻一刻と太陽系に迫りつつあった。地球文明をはるかに超える技術力を持つ侵略者に対抗する最後の希望は、四人の面壁者(ウォールフェイサー)。人類を救うための秘策は、智子(ソフォン)にも覗き見ることができない、彼らの頭の中だけにある。面壁者の中でただひとり無名の男、羅輯(ルオ・ジー)が考え出した起死回生の“呪文"とは? 二百年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた史強(シー・チアン)と再会し、激変した未来社会に驚嘆する。二千隻余から成る太陽系艦隊に、いよいよ出撃の時が近づいていた。 一方、かつて宇宙軍創設に関わった章北海(ジャン・ベイハイ)も、同じく人工冬眠から目醒め、ある決意を胸に、最新鋭の宇宙戦艦に乗り組むが……。アジアで初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた現代中国最大のヒット作『三体』待望の第二部、衝撃の終幕!

感想・どんな人に読んでもらいたいか
ダイチ
読了時の興奮がすごかったです。ダメな人間だと思っていた主人公ルオ・ジーが最後にめっちゃ格好よくなるので、そのカタルシスがたまらないです。しかも最後の計画はルオ・ジーだけでなく、それまで関わった人たちの計画も礎としてあるので、結末に至るプロセスにはリアルさを感じました。それは例えば、実際の仕事にも通じていて、仕事でうまくいったときも、自分一人で達成できたわけではなく、やはり達成に至るまでにいろいろな人たちに関わっていたのが成功要因だったりします。そうしたことも重なって最後はすごく感動しました。
『三体』シリーズはSFが苦手でも読めると思います。めっちゃエンタメなのでぜひとも読んでほしいです。読んだ人と面壁者と破壁人ごっごしたいです笑

ミエ
Ⅱでは地球人が思う倫理や思考とは違った宇宙の仕組み〈黒暗森林〉が明らかになって、それがまた冷徹で怖いけどおもしろいと思いました。主人公ルオジーや最後まで戦っていた軍人のショウホッカイも責任と覚悟をつらぬいていて感動的でした。宇宙の無機質な印象に対して、人間のあきらめない姿勢とか、本当の愛をもつこととか、そんな人間くさいところがすごく輝いていました。
『三体』はSF苦手な人でもおもしろいと思います。さらにⅡでは地球を超えた、宇宙の公理が出てきて、宇宙全体を俯瞰して見れるようなスケール感も魅力だと思います。それにドラマチックな小説なので人間くささが好きな人にもたまらないと思います。

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