青春=終わりの自覚が生み出す熱中
2024年も残すところあと1週間ですね。
今日から1週間、ワーケーションでバハカリフォルニア半島の最南端「カボ・サン・ルーカス」という場所にきています。
地図でいうと、カリフォルニア州から下に伸びている半島ですね。
例年通り、年末年始も休みなく働きつつも、少しだけシリコンバレーから離れて、スローダウン&エネジーチャージをしようと思います。
試しに、ジンベエザメと一緒に泳げるという謎のツアーに申し込んでみました。
現地の人によれば、体長10メートルでシャトルバスほどもあるらしい!
そんな巨大なやつを1メートルの至近距離で見れるらしい!
とのことで、地味に楽しみです。
さて、早いものでシリコンバレーに来て3年が経ちました。
3年っていうと短いようにも感じますが、中学校・高校も3年間あったわけで、ざっと"青春1回分"くらいの時間はこの場所で過ごしているんだなぁ、と思います。
実際、僕の働いている会社は男しかいない20名規模のベンチャーキャピタルなので、毎日、男子校の部活みたいなノリとテンションで働いています。
誰一人手を抜かず200%本気で仕事に向き合っていること、お互いがライバルであり仲間という健全な関係性の中で切磋琢磨できていること、主義主張がぶつかり合ってもその晩飲みに行けば笑って肩を叩き合えること。
そうやってチームで一つのゴールに向かって進んでいって、部活でいえば市大会・県大会・全国大会・世界大会へと勝ち進むような感覚で、グローバルに戦える強い個とチームに成長していく日々・・・
30歳になりましたが、なんだかんだ未だに毎日めちゃめちゃ青春しているなぁ、と思います笑
そして今の毎日を青春っぽく感じさせているもう一つ大事な要因は、「この日々には必ず終わりが来る」という自覚ではないか、と思います。
僕はこちらに駐在して3年目。
来年も残留が決まりもう1年バットを振れることが決まったのですが、永住ではないので近い将来、日本に戻る時が必ず来ます。
それが分かっているからこそ、ここで働ける1日1日がめちゃめちゃ有難く感じられるんだろうと思うんです。
職場にいくと世界の投資家の中でも名が通っているオッサンが普通に座っていて、ネットワーキングにいけば、Google、Apple、Meta、NVIDIA、Open AIなどなどの世界トップの企業で働く人やスタートアップと直接会える。
大学にいけばスタンフォードやらUCバークレーやらの学生と一緒に講義を聞けますし、自分のオフィスのすぐ近くでa16z、Sequiaなどの超有名VCの人たちが働いていてコーヒーに誘えます。
だけど、そんな特別な環境は永遠にはないわけで、やがて終わりが来ます。
期間限定と思えばこそ、1日も無駄にせず、今しかできないことをやろう。
現地で1つでも多くのことを吸収して帰ってやろう。と、思うわけです。
中学とか高校も「卒業」があるからこそ、それまでの期間、夢中になって大事に過ごした感じがしますよね。
あの、終わりがあることの自覚。
1日も無駄にできない高3の「最後の夏」の、あの感じ。
これが今の熱い日々の"熱源"になっていることは間違いないと思います。
ここからさらに一歩踏み込んで考えてみると・・・
人生という、これがまぁーまためちゃめちゃ有難いことだと思うんです。
考えてみれば、人生にも当然終わりがあって期間限定です。
中学や高校のように、あるいはこの海外赴任生活のように。
この人生の希少性というのは多分半端じゃなくて、終わってしまったら、もうほとんど永遠といってもいいほどの長い間、次の機会が回ってくることは無いと思うんです。
仏教的には、盲亀浮木の譬えで表現されますが、凡智で考えたってこの人間界に生まれたことがいかに奇跡的なことかは、想像ができます。
僕たちは自分が存在していることが当たり前すぎて感覚バグっちゃってますが、そもそもこの「存在を自覚できる存在」が存在しているっていう現象自体がヤバイことです。
どうしたらこんなものが生まれてきて、現に存在できているのか、皆目検討がつかない。
バラバラになった廃材に一陣の竜巻がワッと吹き上がったと思ったら、偶然、飛行機が組み上がっているような確率に例えるひともいますが、それくらいあり得ないことが現に起きているわけですね。
僕たちは自分の存在を自覚できる存在として存在し、
しかもそれが永遠でないことも自覚することができます。
この能力を持った状態はせいぜい平均寿命からいっても70-80年しかないわけなので、今しかできないことを1日も無駄にせず、やったほうがいいはず。
無我夢中で仕事を頑張るもよし。
優雅にジンベエと泳ぐもよし。
時間(=命)の使い方はひとそれぞれですが、人間に生まれてきた今しかできないことは何か。
年末年始に少し時間のある方は、少し立ち止まって考えてみるのも、良いかもしれません。
そのための良著を一冊ご紹介して、年末のご挨拶としたいと思います。
それでは皆さま、今年も大変お世話になりました。
来年もお互い命があれば、よろしくお願いします!