アフリカ・ベナンの文化財返還めぐる映画...「ダホメ」
今年の東京国際映画祭でみる初のドキュメンタリー作品。西アフリカ・ベナンに17〜19世紀頃に存在した「ダホメ王国」の美術品など文化財26点が、旧宗主国のフランスから返還されるという出来事を追った作品。
ポルトガルの植民地だったアンゴラの歴史を題材にした「英国人の手紙」と並び、今年の同映画祭で上映されるアフリカ植民地支配がテーマ。
美術品の素晴らしさにも目を奪われるが、フランスによる文化財返還をめぐり、ベナンの若者たちが、さまざまな議論を戦わせる場面がとても印象的だった。
フランス・マクロン政権に対し、隠された意図を指摘する意見や、ベナン人の文化財への無関心、自国の教育の問題点を俎上にあげる人など、白熱した論戦を紹介していく。
フランスにある全7000点のベナン文化財のうち、今回返還されたのは26点にすぎない、との指摘もあった。我々日本人も大英博物館、仏ルーブル美術館などで鑑賞する美術品、文化財のかなりの部分が、植民地支配の「捕獲品」であるということに無自覚だったりする。
どんな国にとっても、文化財が重要な財産であることは明らかな事実。そんな当たり前だが普段見過ごしていることを気づかせてくれる作品だった。
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