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トルコ南東部を行く⑪--路上マーケットを歩く楽しみ(ハタイ編)
トルコ南東部アンタキヤ郊外にある、聖ピエール教会と考古学博物館の鑑賞を終え、じゃあ中心部に戻ろうかと思った頃。まだ陽は高く、日差しは強い。汗ばむ陽気でとても歩けないと思い、博物館前のバス停から中心部方向のバスに乗る。車窓から見える通りが賑やかになったら、中心部に近づいたと気付くだろうという適当な考えで飛び乗った。
まあ、だいたいこの辺かな、というところで運転手に言って降ろしてもらう。人がパラパラと現れたてくる横丁に入ってみたら、そこは路上マーケットだった。
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直線の道路の両側に、場所によっては路上にはみ出す形で露店が並んでいる。やはり旅で市場歩きは必須だ。博物館鑑賞で疲労した脳も和らいでくる。
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トルコ南東部は、土地が肥えているのだろうか。巨大なキャベツが売られていて驚く。以前、同じ南東部の都市ディヤルバクルの市場で、巨大なスイカを見て驚いた時以来の衝撃だ。
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市場を歩いていると、実に「気付き」が多い。以前、中東ではバナナがことごとく吊られて店頭に飾られる、と書いたが、ここアンタキヤでもそうだった。「日本の常識は中東の非常識」の好例だといえる。
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この街の名物でもある、キュネフェというお菓子を売る店では、キュネフェを作る時の材料のひとつであるカダユフ麺もショーケースに入ってたくさん売られている。家庭で手作りする人も多いのだろう。パンケーキのようなお菓子は、ショーケース上に山積みになって売られていた。市場を歩くことで、人々の食卓が想像できるから楽しい。
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多くはなかったが、バクラヴァを売っている店もあった。キュネフェが有名な街でも、もちろんバクラヴァを食べる住民はいる。
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ホテルの朝食のチーズが多彩でどれも美味しかったのだが、市場では、こうしてビニール袋に詰めて売られていた。そう言えば、ホテルのスタッフが、近くの専門店で新鮮なチーズを買っていると話していた。そこに行って、おみやげ用に買って来なければ。
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