インスタに浮かぶリアリズムと、異国のコーヒーと1
日本にいながら、アラブ、トルコなど中東のカフェの雰囲気をみんなで味わいたい--そんな思いからイベントを企画し始めて数か月になる。
これまでに2回、トルココーヒーを飲む会を開催した。
1回目は、今年4月に、都内の民家を借りてトルココーヒーを飲む会を開催した。この時は、日本でトルコ菓子を販売する事業を行うトルコ出身のオーベンさんを招いて、ロクムとマジパンというトルコを代表する伝統菓子を試食する、という企画も盛り込んだ。
トルココーヒーメーカー2台を使ってコーヒーをいれた。私がアマゾンで買ったもの(白)と、オーベンさんのもの(黒)。コーヒーのいれ方が違うこともあり、2台で味も異なり、飲み比べを楽しむことができた。
2回目は7月に行った。カフェにいる臨場感を出せないかと考えて、イスラム教の礼拝の呼びかけ「アザーン」を流すことにした。私が現地でスマホ付属の録音機能を使い採録したもの。採録場所の写真もプロジェクターで映してみた。会場は、東京・笹塚のカフェ「チェシュメ」だった。
そして次の3回目。課題は、どうしたら、もっと「臨場感」を出せるか。それは、自分が感じるというよりもむしろ、参加者のみなさんが感じる「臨場感」をどうやったら高められるか。
そんなことを考えていく中で、思ったのは、自分が撮影した写真や、採録した音声だけを素材としていては、限界があるということ。プロではない自分の技術的な問題もある。それに、そもそもその写真や音声は、何年か前の「現地」であり、時間的に過去のものだ。過去のものをいくら表示しても、どうしてもリアリティーを高めることにつながらない。
そうなると、ライブ感のある素材が欲しい、ということになる。例えば、中東各地のカフェのライブ映像を流す、というのも面白いかもしれない。技術的に可能ならば。
そうしたことも、将来的には考えていきたいと思う。とりあえず、次回はライブ感を増やす現実的な方策として、インスタグラムを使ってみようかと思う。
具体的には、たとえばこんなことを考えている。
トルコ・イスタンブールにある、私のお気に入りのカフェ。
そのカフェの名前をまずハッシュタグ検索する。
そうすると、トルコの人を中心に、世界中の人がインスタにあげたそのカフェの写真や映像がずらりと表示される。その中で、面白そうなものをプロジェクター上で拡大してみたり、映像を再生したりする。
そうしたインスタ上の写真の中には、おそらく、私が撮影したものとは違う、撮影者のバックグランドや撮影した時の感情など、リアリティが映り込んでいるのではないかと思う。
自分が出会ったこともない、さまざまな他者が感じたカフェの空気を、インスタグラムという現代の利器を利用して、時空を超えて日本に持ってきて、それをみんなで味わうことができないか。そんなふうに考えている。
近日中に、フェイスブックの「カフェバグダッド」ページでイベント告知をしたいと思っている。中東に関心を持つ人、そうでもない人。トルココーヒーを一度飲んでみたい人。「臨場感」作りの試みに関心を持った人、などいろんな角度からの参加をお待ちしてしています。