#178 梅林で春の山を感じる / がっかりしても少しでもいいところを見る
梅の花の情報を見て
まだ間に合うかと梅林に行ったら、
見事に咲き終わっていた。
休日の朝起きてふと
そういえば今年の梅はどうだったろうと思い、
梅林情報を見たらギリギリ見られそうだったので
急いで身支度して家を出る。
きれいな梅を見ながら朝食を食べようと、
コンビニでサンドイッチと黒糖ナッツを買って向かう。
飲み物だけルイボスティーを水筒に入れて
持っていった。
長時間のドライブを経て梅林へ続く道へ入った時
なんだか嫌な予感。
道の両脇にも梅の木が植っているのだが
思い描いていた白い花はなく冬の枝の風情。
進むにつれてその風景は濃くなり、
ガラーンとした駐車場に着いた時には
売店も閉まり、人っこ一人おらず。
ダメだったか、、、と軽くため息をついた。
とりあえず、車を降りてみる。
せっかく来たのだから山の空気を吸って散歩でもしようと
梅林の山道を歩き出す。
歩いていると、かろうじてまだ残っている花もあって
少しでも咲いている木へ寄って行って見上げた。
かわいらしく咲いている。
これだけでも見られてよかったよ。
まったくなければ泣きそうになるところだった。
近寄るとふんわりと梅の花の香りがする。
春の香りだ。
道沿いのたわわに実ったみかんのオレンジ色が目を引いた。
咲いている花を見ているうちに
気持ちも盛り返してきた。
すぐ帰らずに車を降りてみてよかった。
おなかもすいたのでサンドイッチを食べる。
せっかくなので車を景色の良いところに停め直し、
バックドアを開け、
車の後ろに座って梅林を眺めながら朝食。
空気はひんやりしてまだ肌寒かったが
山の空気はすっきりと気持ちいい。
ウグイスの声が山に響き渡る。
これは春の音だ。
あれこれ思考することなく
ただ景色を眺めて山のひんやりした空気を感じて
ウグイスの声を聴く。
落ち着く。
花がないのにこんなに楽しめ始めているとは
自分でも驚き。
散歩と思えば、自然に囲まれたいい時間だ。
サンドイッチをつまんでいたら
軽トラが来て少し先に止まり、初老の作業着のおじさんが降りてきた。
誰もいない所に来たので人が来たな〜とついおじさんを見たが、
私には気にする様子もなく
山の方を見たり何か調べに来たようで
私が食べたり写真を撮ったりしているうちにいなくなっていた。
おじさんの、仕事している様子が良い雰囲気だったので
あ、もう行っちゃったのかと思ったくらい。
なんというか、梅林でのいい空間を共有したような。
ローソンの『ハムとたまごのサンド』がおいしかった。
どう挟んでるんだろ?とパンをめくってみたら
潰したゆで卵にスライスしたゆで卵を挟んであった。
原材料をみたら「卵サラダ、ゆで卵」とあった。
同じゆで卵でも違う食感を楽しめるというわけだ。
工夫だな。
少しゆっくりしたもののまだまだ時間はあって
そのまま家に帰るのも惜しく、
携帯で検索しながらどこに行こうか考え
海を見に行くことにした。
今は携帯という便利なものがあって
さまざまに助かっている。
携帯がない頃はマップ本を車に乗せていたものだ。
ページをめくりながら自分の勘を総動員して道を進んでいた(笑
携帯ひとつあれば下準備なくても
どこでも行ける時代だ。
テクノロジーの凄さに驚きながらの感謝。
自分の頭や知識、情報だけでは
どんな場所があるか、どのくらいで行けるのかなんて
わからない。
どんな所かさえも写真を見ることができるので
良いところを探せる。
少し検索しただけで最短時間で素敵な海に行くことができた。
携帯に本当に感謝だな。
高い携帯端末代や通信料も
これだけの恩恵を受けられると思えば安いものだとさえ思える。
電話ができて、
LINEができて、
メールができて、
写真が撮れて、
動画も撮れて、
ナビもしてくれて、
支払いもできて(私はほぼ現金だけど)
ネットの買い物もできて、
知りたいことはすぐ知れて、
まだまだまだまだ使える機能はたくさんあって。
本当にありがたいものだ。
携帯だけではない。
電気も水道も食べ物も私たちは恩恵を受けていて、
電気が止まった時、水道が止まった時、
どれだけありがたいかがわかる。
自分の力では手に入れられないことを受け取るための
ありがたいお金を支払っている。
初めて行ったその海は小さい海岸ながら
とてもきれいだった。
平日の小さな海。
青い空にグラデーションのかかった美しく凪いだ海。
打ち寄せる波の音。
私が自然からもらう癒しは大きい。
お昼時間になり
予約していなかったが海辺のレストランでランチを食べることができた。
オーシャンビューの素晴らしい景色と店内、
おいしい食事を堪能できた。
がっかりしがちだった梅林から
少し残った梅で癒され、
花はないが山の自然で癒され、
そうするとどんどん気持ちが残念というところから外れて
楽しくなり、
とっても素敵な1日を過ごせた。
🌱お読みいただきありがとうございました( ͡° ͜ʖ ͡°)