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広告と記号

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一応本業はマーケティングなので広告についてのメモを書いて行こうと思います。普段、宣伝会議などセミナーで話してるのですがそこまでまとまってるものではなく、単発のネタにしていこうかと。
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記事一覧

一人読書会「新記号論」vol.3

一人読書会「新記号論」vol.3

転職のごたごたで間が開いてしまったので再開。
疎遠だった以前の後輩から「この記事を読んでます」的なメッセージが来たので再びやる気を取り戻したが、やる気なんてそんなものかもしれない。
そもそもこの記事はあくまで自分のために書いているので共感が少ないのが前提なのだが、つい料理などの他の私の投稿へのレスポンスと比べてしまうのは、もはや「自分」とは共感によって評価されることが前提になっており、ネットに毒さ

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一人読書会「新記号論」vol.2

一人読書会「新記号論」vol.2

再び「新記号論」第1講義について考えていきたい。

第1講義「記号論と脳科学」の目的について
繰り返しになるが、この講義では20世紀初頭時点での新テクノロジーとしての電話、映画などの登場により、記号の領域がそれまでの印刷された言葉だけの状態(グーテンベルグの銀河系時代)から、例えば電話によって話し言葉が客体視できるようになり、そして映画によって視覚を客体視できるようになったことから、新たな思考が生

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一人読書会「新記号論」vol.1~

一人読書会「新記号論」vol.1~

はじめにこのnoteはマーケティングに関わる私がその視座で「新記号論: 脳とメディアが出会うとき(石田英敬・東浩紀著、ゲンロン叢書)」を読み、マーケティングに関係が深いと思われる部分をピックアップして想像を膨らませる一人読書会である。
なお、哲学について理解が甘い部分が多く、それも学びながらのメモになるので間違った理解があれば、その次の記事で訂正などをしていきたいと思う。

第1講義「記号論と脳科

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一人読書会「新記号論」vol.0

一人読書会「新記号論」vol.0

年に一度は「新記号論: 脳とメディアが出会うとき(石田英敬・東浩紀著、ゲンロン叢書)」を読み返そうと思っており、このコロナ禍&転職の機会に再読してみた。そして、いくつかのマーケティング/ブランディングへのつなぎこみができる箇所において、これまでのように頭の中で考えるだけでなく「一人読書会」という形式で書き出しておくことでより理解を深めたいと思う。

「読書会」とは前職で実践しているチームがあったの

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パッケージのメディア性と記号化

パッケージのメディア性と記号化

前回の話が堅かったので、今回は少しだけ柔らかくして、商品パッケージのメディア性や記号化について考えてみたいと思う。
時折、上記の視点でコンビニにおいてどのようなパッケージが優れているのか?を観察しているのだが、その中でもいつも感心させられるのが「缶つま倶楽部」シリーズだ。

「缶つま」ブランドの記号性まず、ブランド名の記号性から考えてみたい。
当然、缶詰のつまみだから「缶つま」と命名されたと思うが

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マーケティングモデルはなぜ「認知」から始まるのか?

マーケティングモデルはなぜ「認知」から始まるのか?

前回の記事の最後で「認知」について少し触れたが、「認知」にはマーケティング業界においての2つの前提がある。
1つめは「認知」とは「ブランドもしくは広告の認知」を指しているという前提だ。つまり広告主主体である。
これについて業界の方は当たり前すぎるかもしれないが改めて確認しておく必要がある。また、この前提に大きな問題はないと考えているが、「認知」の主体を人に変化させ「課題の認知」としているマーケティ

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「購入」はマーケティングにとってゴールなのか?スタートなのか?

「購入」はマーケティングにとってゴールなのか?スタートなのか?

よく自分が話すセミナーなどで、現在の多様性を認める社会以前での価値観を表現する優れた広告コピーとしてTOYOTA クラウンの「いつかはクラウン」を上げることが多い。
「男性」は「家族」や「車」を持ち「出世」していくべきだという考え方が主流の中で、このコミュニケーションは、クラウンに「車」と「出世」の価値観を掛け合わせたポジティブな意味を付加すること(記号化)に成功しているからだ。
もちろん、この価

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「記号」と「コンテクスト」は何が違うのか?

「記号」と「コンテクスト」は何が違うのか?

noteでのマーケティング自論の整理にあたって、広告全体をぼんやりとテーマにするだけでは面白くないと感じたので、あえて「記号」というテーマに絞って書いている。
もともと、この記号論は大学時代に出会い、大して勉強してなかった中でも、強く印象に残っている学問だ。
その後も、ネット×広告に携わる中で存在感を感じる時もあったが、2019年「新記号論」という本に出会い、デジタルネイティブな時代でのマーケティ

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ソーシャルアーカイブ、記号の孵卵器

ソーシャルアーカイブ、記号の孵卵器

広告業界での20年間でマーケティングファネルやカスタマージャーニーなどの様々なコミュニケーション設計に関するモデルを見てきた。もちろん社会の変化によって、それらがアップデートしているのも確かなのだが、デジタルネイティブな時代において、そのアップデートの方向性は実際のコミュニケーションと一致しているのだろうか?という疑問を個人的に感じている。

この数年、そういった不一致を解決しようとモデルを再構築

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「AI」という記号

「AI」という記号

本のタイトルは記号性の強い言葉にあふれている。その中でもこの5年ほどで頻出している記号が「AI」ではないかと思う。amazonで「過去30日間の出版×AI」で検索してみても、59件もの検索結果(2020年4月28日現在)が出たのは、今なおAIには強いニーズがあるからと考えられる。

その中身はエンジニア向けが多いのだが、ビジネス一般向けにAIがどのように世界を変えるのか?といったようなフレームにつ

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信頼の記号

信頼の記号

デジタルネイティブな時代において、情報はますます飽和化、多様化しているがゆえに、「広告」は所有ベネフィットだけを伝えるだけでは人の心は動かせなくなっていると思っている。

そのため、今まではサブ要素だった「振り向かせること」や「信頼してもらうこと」というのが所有ベネフィット訴求と並んで必要不可欠になっているのではないか?という印象。
そのため、1つのタッチポイントで「所有ベネフィット」「信頼しても

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広告のあれこれをメモしていこうと思う。

広告のあれこれをメモしていこうと思う。

このコロナ禍真っ最中に転職することになったのだけど、引き継ぎにあたって「広告とは?」についての資料をまとめたりしていたので、その思考過程を書き留めておこうと思う。

相変わらずブログのようなものが続かない病があるものの、有料にするつもりもないので1つのエントリーでいろいろなことを書かないように、小出しに書くつもり。

それでテーマってなんだろなと思ってて、そうなると広告での記号論的考察(堅い!)っ

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