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コーヒーのある生活、の初まり

コーヒー器具を集めようと思ったきっかけ

刈込
そもそもコーヒー器具を
集めようと思ったのは… 

いつ頃から集まってきたんだろう。

弓庭
まぁ もう20年以上前からですね。

刈込
何がきっかけだったの。
器具なのか、カップなのか。

弓庭
最初の頃は味も、そんなにわからなかったけど。

どうしてもコーヒーの香りとか、
やっぱり喫茶店とかが好きだったので…

刈込
(そもそものコーヒーの最初の記憶は)何歳?

弓庭
小さい頃に、喫茶店によく連れて行って
もらった思い出だから… 

刈込
誰に?

弓庭
親に

刈込
親っていうのは

弓庭
母親に
まぁ幼稚園ぐらいから。

あと(両親が)家で
コーヒーを飲む習慣があったので、
朝食の後に。その時間がいいなって
幼稚園児だったんですけど。

3人姉妹の、自分は年子の末っ子で。
いつも誰かがギャーギャー言っていて。

一人一人こう、親とゆっくり話す時間とか、
そんなあったわけではないと思うんですね。

だけど、そのコーヒーを飲む時間というのは、自分だけが幼稚園児で、あと(の姉二人)は小学生になってたので。
ちょっとおくれて父親と幼稚園に行くというのがあったので。

ふたりの姉を見送ってから、たぶん2、30分だけおくれるその時間に、食卓からリビングに場所をかえて、親がコーヒーを飲んでいたと。

その時はすごくしーんとしてた。
何かしゃべるわけでもなく、
両親とも座っていて。

その静かなのがなんかいいなって
思ったんですね。

だからその当時は、
その残りのコーヒーをミルクとか、
お砂糖を入れて甘くして
残りをもらう楽しみもあったし。

そこから、コーヒーを意識しはじめたのは
始まります。5歳とか。

コーヒーが生活の中心になった理由

刈込
小さい頃のそういう思い出って、
コーヒーだけじゃなくて
いろいろあると思うんです。

大阪だったり(※)、食べ物、
友だち、洋服、テレビ、いろいろ。
でもなんでコーヒーだけ残って、
今でも生活の一部というか
中心になっていったんだろう。

※弓庭の出生地

弓庭
たぶんその時間がよかったんでしょうね。

小さいから、
なんでそんな静かな時間がいいと
思ったのか謎だけれども。

なんか、ふだんの喧騒、
ワァ−って三人年子の姉妹から、
フッと一人っ子になったような
気持ちになって。

音がないっていうか。
たぶんコーヒーも
すごく凝って淹れてたわけじゃ
ないと思うんですけど。

なんか香りとか。

刈込
そういう姉妹とか、喧騒だとか、にぎやかなもののカウンター(対極)にコーヒーがあったとして、今もコーヒーという存在に、無意識に、何かそういうものを求めているのか...  
つまり何か煩わしい日常を忘れたいとか、慌ただしい日常を忘れたいとか、

弓庭
絶対あるでしょうね。
たぶんそれが先で。

しかも、いちばん最初は
ひとりで飲むっていう風景が
思い浮かぶというか。

誰としゃべるとかじゃなくて、
ひとりで飲んでるっていう光景が
思い浮かびますね。

二人で飲むのももちろんいいけど、
それは後からついてくるのであって※。

※カフェノマは夫婦ユニットとして活動してきました。

何かコーヒー淹れたり、
ゆっくり飲んだりっていう時間は
自分の時間っていう気がします。

刈込
コーヒー器具も自分の時間を
楽しむための道具?

弓庭
まったくそのとおりで、
休みの日に自分のために
こういろいろ工夫して。

あぁ、あそこのカフェで
飲んだふうな感じができたとか、
ほんと自分の内なるよろこびのため。
それがはじまり。

私はSNSとか得意でもないし
長けてもなかったので… 
ほんとに自分のため。

刈込
それはコーヒーを飲むというより、
コーヒーを作ってる時間を楽しんでるの?

弓庭
作ってる時間とか、道具のこととか、

前職で海外に行くことが多かったので(※) 
1ヵ月毎にフランクフルトに行ってたときは、

あそこのコーヒー屋のマキネッタ
かわいいんだけど、
1回め見に行っていいけど、
これって日本のIHに反応するかなとか、

2回めに行ったとき、お店の人と話して
それでもまだ決断しないで、
また数ヶ月かけて、

あぁ やっぱり買おうと… 

万が一これ日本で使えなくても
眺めてるだけで結構好きだから買おうとか 

そういう過程とか
そういうのもひっくるめて
楽しんでるのかなっていう。
もう自分の趣味ですね。

※弓庭の前職は、客室乗務員でした。

独りの空間を楽しむ贅沢

刈込
道具を買うとき、
家に迎え入れるっていう
言い方をするけど
それは何なんだろう
その表現は。

弓庭
多分この人(※)がそこに…

※コーヒー器具のことを指しています。

刈込
今この人って言ったけど、
人じゃないけど人っていうのは何かあるの?

弓庭
何か愛着が湧いてるのかな(笑)。
自分のとこに来るっていう。

キッチンのカウンターの、
この場所に置けばちょうどいいなとか
場所が思い浮かんでから買うんだと思う。

刈込
どういうコーヒーの道具が好きなの?

弓庭
いちばん最初はマキネッタ。
イタリアのミラノで

行くたびに可愛いな
かわいいなと思っていて。

でも難しそうとか、
あんな続くかなとか

刈込
それはいつ頃なの

弓庭
もう20年以上前ですかね、
もうちょっとかな。

刈込
何が良かったんだろう

弓庭
マキネッタのカタチが可愛いくて(笑)。
あとまぁ、なんだろう… 

最初はそうですね。カタチから入って。
あとアナログなんで、すぐ始められる 

別に電気式でもないし、コツさえつかめば
すぐできるのかなと思って。
トライしやすいお値段だったしもちろん。

だからああいうの、もしハマったら何個か
マキネッタ並べてもカワイイなとか。

まぁ街角でもマキネッタたくさん見かけるので 
普通に歩いてても売り場にも
キッチン用品とか見に行っても
そこに当たり前のようにずらっと並んでるし。

何回もみて気になったんでしょうね。

刈込
家で飲むきっかけはまず外からなんだ。
いろいろ見たり自分でカフェにはいったり

弓庭
そうです。
インスピレーション
というと大げさだけど。

刈込
記憶に残ったものを家に取り込むと

弓庭
いいなぁいいなぁと思って。

あんまり即決はしないから確かめるように、
やっぱりいいよねって感じで。

もうその時は失敗しても
諦めがつくっていう感じで、
モノのは買うっていう。

これだけ好きだと思って買うんだから
いいよね買ってっていう。

で、たまたまそのマキネッタで、
たぶんイタリアの人はすごい濃い
コーヒーをまんま飲む、
それにたくさん砂糖入れて
グッと飲む習慣だと思うんですけど

私は日本人だし
そこまで濃いコーヒーを
そういうふうに飲む習慣は
もともとないので

これでカフェオレ作ったら、
コクがあるし美味しそうと思って。

おうちに来た同僚に
ふつうに出したらすごく感激されたので

え、こんなんで喜んでくれるのっていう
のが、また新しい楽しみでもありました。

刈込
マキネッタ以外に
好きなコーヒー道具ってあるの

弓庭
好きな道具だけでいうとサイフォン。
しかも1人でコーヒーを楽しむ前提で、
世界一小さいサイフォン(※)。

※ ハリオのミニフォン

家にもあるんですけど、
ほんとに120mlくらいしか
苦労して淹れてもでてこないので(笑)

すごく生産性が低いっていうか、
道具としてはどうかなっていうの
あるんですけど。
置いてて可愛いし。

それで休みの日に
刈込さんがサーフィン行って
いない時とか(笑)、
横に犬をはべらせて

自分のためだけに
こんな小さなサイフォンの
コーヒーを淹れるっていう、
なんか楽しみ… 

それって今、
伝わってますか(笑)? 

別に誰に見せるじゃなく、
サイフォンのコーヒーが
ガラスの中をツーっていく様子とか、
ポコポコポコってお湯が
コーヒーに変わっていく姿とか、

あと、アルコールランプって
すごいアナログなもの、炎とか、
そういうのを独りの空間になって、

あーって休みの日に
楽しむっていうのが贅沢だなって。

カフェノマ誕生の真実

刈込
ひとりで休みの日を楽しむのが
贅沢っていう感覚が、わりと独特だなって
思う人もいるんじゃないかなと
思うんだけど、

独りでいることを楽しむっていうことが、
ふだんひとりでいれなかった環境・職場
だったからとか… それとも、
もともと独りいるのが好きだったの

弓庭
多分ひとりでいるのが
好きなんでしょうね。

刈込
なぜ

弓庭
自分だけのペースで
周りに気を使うこともなく、
過ごせるからじゃないかなー
たぶん。

刈込
でも19年間(※)飛行機乗ってたって
それ苦痛だったの

※弓庭の客室乗務員時代の勤務年数です。

弓庭
仕事は仕事の時間として
それに没頭するんですけど、
終わってホテルに着いたら

やっぱり1人になりたいなって
いうのはあります。

(クルーのみんなと)
ご飯行ったら行ったで楽しいんです。

だけど、それよりもまた
もうちょっと楽しみが自分にはあって、

明日の朝早く起きて、
朝食を好きな店で食べて、

あそこのベーグルおいしいから
早く行こうとか、
そのまま地元の雑貨屋さん見たいなとか、

まぁ1人で過ごす前提の楽しみ方があるので、
今日は早く寝たいなって(笑)

基本早く寝たいになって
そっちのが勝っちゃうんですね。
(みんなで食事に行ったら)
行ったで楽しいんですけどね。

刈込
じゃあ結局、
そういう自分なりの楽しみがあって、
楽しんでたんだけど、
僕に全部SNSで
さらされちゃったっていうのが
カフェノマの姿。

弓庭
そうです。
それが真実です(笑)。

刈込
ずっとやってきたことだし、
おうちカフェって言葉が
出る前からふつうに家で
コーヒーを楽しんでたっていう。
それが今も続いてるっていうこと?

弓庭
そうです。
だから、ウフフって
自分ひとりで楽しんでたのが、
たまたまこうやって

受け入れてくれる人がいて、
人に見られるっていうことに
なったっていう感じですね。

だから、もともと好きでやってたので、
これがみんなも好きなのかなっていうのが
今たくさんフォロワーの方がいてくれるけど
それでも、なんでだろうって

大いに思ってる。

手間をかけて淹れるからこそ空間が気になる

弓庭
たぶんコーヒーの道具って
(コーヒーの)香りとか
音とかそういうのも(伴って)あるから
いいんだなって。

それも含めた
だからやっぱり、
全自動ですぐコーヒーが
出てくるって言うのよりも、
やっぱりアナログのほうが
好きなのかな。

刈込
ひと手間かかるほうがいいってこと

弓庭
まぁ
コーヒーを自分で淹れるくらいの手間は

刈込
コーヒーを淹れるっていうのが
手段じゃなくて目的なんだね。
淹れること自体がもう目的

弓庭
そうです。それで、
なんで家(うちカフェ)って
ことになるかっていうと、
そんな手間かけてコーヒー

全自動じゃなくて
アナログなハンドドリップなりで
淹れるとして、

それが手間だと思うんだったら、
そんなことしてまで淹れたいと思うときって、
やっぱり家がきれいな状態のときかなって。

すべてが、自分の心地良い、
片付いた空間になった時に
コーヒーを淹れたいって思うので。

だから
前提として家がどうのって
言っちゃうんだろうなって。

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