スイッチが入るタイミング
寒い朝
まだランナーの姿もまばらな時間。
パフォーマンスが上がり切らない体に少し苛立ちながらも、
心拍数を保って走ろうとするきみ。
ーーー「だいたい2キロくらいで辛くなってやめちゃうんだよねー」
ダイエットがしたいと言って相談してきたともだちに、
ランニングの良さを力説してから一週間後の回答に、
すこしもやもやしていた。
「2キロって、、、ようやく体が動き出すころだよ?」
河川敷に出るため、
きみは坂をペースをあえて落としながら登り、
ひらけた視界と、登り切った達成感に、
一度深く息を吸い込む。
「ふう」
フーディニジャケットのフードをとり、
時計を見るために左の袖をまくり上げる。
心拍数150ぴったり。
腕をそでの中に引っ込め、
また走り出す。
「ピー」
2キロを過ぎた音。
「こっからでしょ」
了
※リバーサイドランニングクラブは、
Cadence180が書くランニング・ショートストーリーです。
Cadence180はランニングやウォーキングのテンポをキープするための音楽を作っているミュージシャンです。
本日、彼女が聴いてるのは
Running Cadence : 172
https://music.apple.com/jp/album/running-cadence/1603576663
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