MBTIの心理機能マトリクスとは
MBTIのマトリクスとユングのタイプ論のマトリクスはその性格が少し異なる。柔軟に両方の要素を交えながら、主にMBTIのマトリクスにフォーカスして解説していく。
https://note.com/cacaonph111/n/ncbf4b3b15b1b?magazine_key=meb78a23c3c15
心理機能とは
心理機能とは、このマトリクスにおける最小単位であるとの認識で問題がない。
例えば、INTJの場合、このタイプは
・全体的に内向
・直観型
・思考型
・判断型
と読むことができると上記の記事にて解説した。だが、実際のマトリクスはもっと複雑である。
心理機能とはつまり、知覚機能である直観Nと感覚S、判断機能である思考Tと感情Fのそれぞれに内向外向を与えた単位である。それぞれが特徴を持ち、この心理機能の占める重要度の順に四つを各タイプに割り当てている。厳密には、上位二つの心理機能のみで各タイプのすべてを説明できてしまう。四つ記述するのは、後述のように第一機能と第四機能はつながっておりほぼ同義、第二機能と第三機能も同様であるため説明を分化しわかりやすくできるためである。
各心理機能についての解説は別記事にて行うものとして、本項ではマトリクスの解説を行う。
MBTIマトリクスにおける心理機能
第一機能
各タイプの特徴を特に大きく決定づけるのは、第一機能である。主機能と呼ぶ場合もある。全体的に内向型のタイプである場合、その第一機能も内向する。外向型のタイプである場合、同様に第一機能も外向する。
第一機能は幼少期からおもにその人格を構成し、もっともその個人が秀でる知覚、判断機能となる。あらゆる面でその機能の力を存分に発揮し、生活の中でもおもに使用される。
第四機能は第一機能の真逆の機能が与えられる。第一機能がNであれば第四機能はSとなる。第一機能がTであれば第四機能はFとなる。また、内向外向もそれぞれ逆になる。
第二機能
第二機能は、第一機能を補助する関係にある。文字通り、補助機能と呼ぶ場合もある。第一機能が知覚機能であれば第二機能は判断機能となる。また逆もそれしかりである。内向外向もお互いに逆となる。
従って、全心理機能8つがそれぞれ第一機能となる場合、その8つに対し第二機能として補助するのはそれぞれ2つのみである。よって8×2で16タイプがタイプの総数となる。
第二機能はその人格の成長に伴い発達する機能であり、第一機能ほど強力ではないが、第一機能を監督し補助する役割を持つ。基本的に悲観的に人格に働きかけ、責任感をもった判断を促す。
第二機能は第三機能とのかかわりが深く、第一機能のそれと同様に真逆同士の関係にある。
第三機能
第三機能は第二機能の悲観的な態度の裏返しに、楽観的な態度として現れる。具体的には、第三機能による考え方には根拠が乏しい場合や計画性に乏しい、深く考えていないなどである。
同様に、年齢とともに成長する機能である。楽観的に働くため、特にその個人が若いときには怠けたり堕落する要因になり得たり、まさしく子供っぽい言動につながる動機になる場合がある。年齢とともに第二機能との間にバランスがもたらされ、使いこなせるようになっていくと言われている。
第四機能
第四機能はそのタイプを理解するうえで非常に重要な役割を持つ。劣等機能と呼ばれることもある。第四機能は不安要素や恐怖と言った形で人格に現れる。この機能の及ぼす効果と、どう向き合っていくかがMBTIにおける人格形成の過程で重要視されている。
第四機能は意図的に使うよう努力すれば、うまく使えるようになるといったものではなくかえって負担になり好ましくない。第一機能や第二機能を活用していけば、第四機能の機能も徐々に年齢とともにバランスが取れていく。
他人の第四機能を刺激しないといった世渡りも、MBTIの賢い利用方法かもしれない。と言っても本来の用途とは離れてしまうが。
心理機能の理解
各心理機能の意味、それに加えて各心理機能と第一から第四機能との組み合わせを含めて理解することでMBTIの全容が見えてくる。
誰か気になる人のタイプまでは特定できなくとも、どの心理機能をどの程度指向しているかまでわかればMBTIを効果的に利用できる。
だが、実際にはタイプは16タイプしか存在しない為、厳密に上記すべてを覚える必要はないと思われる。望ましいのは、いろいろなタイプの人々と実際に対話しお互いの考え方の違いについてはなしてみることである。自分だけでうんうんとうなっていてもなかなかタイプの理解は深まらない。