ベッドルームからこんにちは。ようこそ世界へ。

(移植中)


相変わらずですが


雨ニモマケテ
風にはマケズ
適度に仕事して(お金もらうから本気!)
空いた時間に舞台を見て
欲求を満たす程度にレコードを買い
見知らぬ誰かの前で音楽をスムーズにつなぎ合わせ
大切な友人と笑い合い
行きつけの酒場で週にコップ一杯だけ薄い酒を染み込ませ
最低限に純異性交遊をし


そんな自分で今日もいるわけですが、
面白いです。東京。というか世界。

と、言うのはまぁ音楽の話で申し訳ない。今日も。

■Nick Hakimの1stアルバムを購入す。の巻


レコードを買いに街に出ました。そこには馴染みの信頼できるバイヤーが
存在します。
「この人が言うのだから間違いない」と。
だいたいお耳を潤すのは乏しい音楽知識と交友関係を最大限に活用し、
ピピピッと反応した場合によります。


あとはジャケ買いです。


今日もそう。またもそう。


勧められてそのまま買って。何も知らず親知らず。自分知らず。
ベッドルーム新世代SSW(シンガーソングライターの略語です)Nick Hakim。
ニューヨークはブルックリンを拠点にしています。
そんな彼の1st。「Green Twins」。


これだよ

レコードを制作する際にイメージした音楽がこれまた面白いのです。


「マーヴィンゲイ、マッドリブ、ロバートワイアット、マイブラディバレンタインの影響を受け、RZAがポーティスヘッドをプロデュースしたらどうなるかなと想像しながら制作。」


なんというパワーワードの連鎖でしょう。だいたいはこう言うのダメです。
世界中の面白い映画をまとめたら最高の1本ができるなんて夢物語です。
花とゆめです。

でも、才能がそうはさせませんでした。ブルースフィーリングに甘くソウルフルな歌声。


モダンなビートミュージック。まぁ、なんたることでしょうか。
全編自宅の寝室でレコーディングされたというこの1枚。奇跡的なバランスです。

よく、多彩な人は吸収するのも多岐に渡ると思うのですが、それを作品として昇華させる場合、肝心なのは「引き算」と「バランス」だと思うのです。

いくらでも詰め込めば、情報量の多い作品なんて作れます。
でも、そんなカロリー高めの作品を誰が長い時間、生活のお供にするでしょうか。


毎日ミシュランガイド三ツ星のイタリアン、食べないですよね。もたれます。
モデル1000人に生まれながらに囲まれて、「私たちには何をしてもいいのよ。ふふふふ」とか言われたら、どんな大人になるでしょうか。


おそらく、オスとしての本能は消され、素朴で純情であなただけを一生見てくれる女性が街で偶然、同じ本を手にとってそこで相手がロマンスを感じたとしても、もしかしたらその機会をスルーしてしまうのかもしれない。
一期一会を感じないまま、最終的には一人で余生を過ごすかもしれない。

オフトジャパンがわりと燃えたのはカズと高木のツートップをラモスと福田というスターがアシストしたからだけではありません。
ダイナモとして北沢が走り回り、中盤の底で吉田光範が支えたからです。
(意味わかんない。1992年頃の話です)

そう、たくさんの影響を嚙み砕き、カロリーオフモードに引き算をして、バランスを整えたからこそ、歴史に残る名盤は生まれるのです。


音のないブランクトラックや、箸休め的な捨て曲(言葉は悪いですが)があっても、最終的な顧客満足が素敵であれば構わない。
全曲アンセムだなんて、それは単なるベストアルバムです。
もう、お腹いっぱいなのです。

脱線したんですけど、そういう1枚なのです。聴ける。
とにかく今、聴ける。これからも聴ける。いや、聴く。

現代は、プレイリスト時代です。自分のお好みの曲をフォルダにまとめてたくさんの曲をシャッフルして楽しむ。そんな時代でしょう。
そこに1枚の芸術はありませんし、アートワークさえもありません。
迷うことなき現代のカルチャーなので、それは否定できません。
切り取られる断片的なストーリーをいかに瞬間的に短く誰かの記憶に残すことが勝負の世界だし、そこから別の物語でお付き合いしていくのですから。

でもね。たまには欲しいのです。添い遂げられる何かを。

毎日イチャイチャできるスーパーモデルよりも、安心感を与えてくれる添いフレが欲しい夜もあるのです。
(添い寝するだけのお友達という現代の闇を表すパワーワードです)

何て都合のいい意見!
それでもいつかは自分ひとりになる可能性があるのが人生です。
そんな時に誰もいないなんて寂しすぎます。

だから、こういう末長くお付き合いできるレコードを傍に置いておいて、思い出したようにスッと棚から取り出して、針を落とすのもいいのです。

肝心な音楽性の話、皆無ですよね。ええ。更地です。

でもね、いいんです。

買って間違いないから!保証する。

いい出会いでした。

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増田ダイスケ
新しいzine作るか、旅行行きます。

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