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東京の街に戻って1ヶ月と半が経ったこと

2年前に、思い立ったように九州に引っ越した。
3月に、思い切ったように、東京に引っ越した。

大学進学と同時に、東京に引っ越して、そのままどこにも行くことがなく、
なんとなく友達ができて、クラブ通いとか覚えて、大学を卒業して、
社会に拾ってもらって、とにかく目の前の出来事に全部向き合わないと通用しないような環境で、ただ、ひたすら暮らした。
気がついたら、東京生活の方が長くなっていた。

いつの間にか、「地元」という言葉が身体からなくなっていくかのように、自分の生活サイクル、リズムは、とても人の多い街の時間で流れるようになっていた。

朝8時に起きて、電車に乗って青山に行って、気がついたら、夜の7時になっていて、銀座で降りて映画を見て、帰って、夕飯を食べてレコードを聴いて、朝読んでほしいメールの送信予約をして寝ることの繰り返しが10年。

そんな当たり前を噛み締める暇もなく、追いつこうとも置いてかれようとも思わないまま、数年が経った頃、世の中にコロナというものが出てきて、家から出ない時間が始まった。

よくわからなくなって、あらゆるきっかけを掴むように、色々なものに手を出した。

結果、リズムが一気に崩れて、見失って、元に戻すように旅行とか行ってみたりした。

多分、とてもその時は勘違いしていて、知らない街に出かけると、悩みや物事が解決すると安易に考えていた節がある。

実際には何も解決しないまま、自分の中で新しい電車のルートがスマートフォンの履歴に残ったまま、また元通りになる。

人にたくさん会おうと思って、寄り合いに出てみたり、知らない輪に入ろうとしてみたりしても、そこにあるのは、自分では、結局、誰かが何かを変えてくれるかもしれないって安易な期待感でしかなく、家に帰ると、部屋は変わらないし、ステレオで流れる音楽も対して変わらなかった。

移住してみた。

なんか変わるのかなと思って。

20歳の時に、イギリスに行ってみて、何もわからないまま、数ヶ月過ごしていたら、色々な人が助けてくれて、世界が広がって強くなった気がして帰国した。

その再現を期待していたのかなとか思いながら、引っ越した。

色々な人に出会ったけれど、自分の奥の奥では何か変わったわけではなくて、
元々の自分が1番心地よく生きていた時間を取り戻そうとして、過ごしてた。

で、やったことないことができて、会うはずもなかったかもしれない人と仲良くなったりして、元の暮らしに戻ろうと思って、東京に引っ越した。

この1月半、びっくりするくらい家の中で過ごしていた。

仕事をしたり、本を読んだり、レコード聴いたりして家にいた。

戻る前にたまに来ると、せっかくなんでって、びっくりするくらい元を取ろうとして、
たくさん買い物をしたり、色々な時間を詰め込んでみたり、出掛けてみたりしていた。

今、実家に帰省して、結局友人に送ってもらって家に帰ってきた。

あんまりスマホ見なくなって、SNSとか興味薄れてきて、部屋を片付けたりして、ラジオを聴いたりしながら、明日の予定の準備をしてる。

無理に変えようとすると、どこかに軋みが生まれるなって、ずっと読んでる本を読みながら、明日もやることがあるっていいな、会う人がいるっていいなって思いながら移住先で出会ったかけがえのない大事な仲間と始めた出来事の準備をしたりして、東京でまた新しい時間を共にする新しい仲間と何ができるんだろうなってちゃんとしようと準備してる。

街ごとに時間軸って違っていて、そこを無理に変えようと、自分に合わせてもらおうとすると、全部歪む。

慣れようとする間に、余裕がないまま、ちゃんとしなければと思って無理をして、うっかり誰かを傷つけたり、余計な一言言ってしまったり、できもしないことを口走ったりするのかなとか気をつけなきゃとか思いながら、この2年で起こったことを考えてみると、自分のペースが保てる時間の中で、長年の大事な人たち、仲良くしてくれる人たち、迎え入れてくれる人たちにきちんと、対等な関係をお互いに持つことができるような時間を過ごすには、目を閉じていても歩けるような場所でゆっくりと過ごすことが必要だと強く感じてしまった。

海外に住むことができなかったのも同じ理由で、まずは身近に生きてから、外に何かできるんだよなって当たり前のような大事なことを思い出しながらもう必要なさそうな本を片付けています。

今お仕事をしている人たちから「なんか、前にしていたことよりも、今していることと、明日からやることばっかり話してるからそこが好き」と言われてそれが嬉しかったです。

DJの練習をしているとすごく落ち着きます。


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増田ダイスケ
新しいzine作るか、旅行行きます。

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