横綱対決@FE名古屋場所?(B2プレーオフvs越谷プレビュー)
東の横綱、アイザック・バッツ
さて、いよいよB2プレーオフが開幕します。FE名古屋は、ホーム枇杷島で越谷アルファーズと対戦です。
越谷アルファーズといえば、ご存知アイザック・バッツ。208cm134kg(!)の体格を誇る、Bリーグでは絶滅危惧種となりつつある横綱系ビッグマンです。FE名古屋が越谷に勝利して次のステージへ駒を進めるためには、バッツ対策は避けては通れない道でしょう。
変化は是か否か
まず考えられるのは、機動力を欠くバッツを置き去りにするアップテンポなバスケットを展開することです。
前回の対戦時にはFE名古屋にもブラッドリー・ウォルドーという、西の横綱ともいえるビッグマンが在籍しており、インサイドの体のぶつけ合いでもある程度戦える一方で、走り合いを仕掛けるのは難しい状況でした。それが今は、そのウォルドーに代わって長身なのに機動力もあるベンジャミン・ローソンがいるため、バッツがポジションを取る前に攻め切ってしまうということも可能ではあるでしょう。
しかしFE名古屋に関してこれが最適解かと言われると、そうではないと僕は思います。
今季のFE名古屋は、ペースの遅い試合展開を好み、攻守の精度の高さで相手を上回るという、いわば横綱相撲を得意とするチームです。バッツ対策ばかりに気を取られ、一発勝負のトーナメントで自らが得意とするプレースタイルを捨てるという奇策が功を奏するとは思えません。
流れの悪い時間帯など、要所要所でアップテンポなバスケットを仕掛けることはあるかもしれませんが、試合全体を通してアップテンポなバスケットを仕掛けることはないと思います。
昔から、奇策に打って出るのは格下と決まっています。相撲でも同じ番付であれば東の方が西より格上となりますし、激戦の東地区にいながらにしてFE名古屋とほぼ変わらない成績を残している越谷を格下と呼ぶわけではありません。しかし、ホーム開催であることを考えても、ここは自らが得意とするバスケットで真正面からぶつかった方が最終的にはいい結果につながるのではないかと思います。
注目ポイント
前置きが長くなってしまいましたが、続いては個人的な注目ポイントを記しておきたいと思います。
注目ポイント① ミドルレンジの有効活用
おそらく、FE名古屋の最大の武器であるピック&ロールに対して、バッツが高い位置まで追いかけてくることはないと思います。仮にローソンやアンドリュー・フィッツジェラルドが勢いよく飛び込んできたとしても、バッツが体勢十分で待ち構えていればノーファウルで守り切ることも可能だと思うので。
そこで重要になるのが、スクリーンを使って一人目のディフェンスを抜いた後、バッツが寄せてくる前の間のスペース(ミドルレンジ)を上手く使えるかどうかです。FE名古屋でいえば、ワンドリブルからのジャンプシュートが得意な飛田浩明や、ビッグマンの頭を越えるフローターが得意な松山駿に期待したいですね。また、ジェロウム・ティルマンやフィッツジェラルドのミドルシュートにも注目です。
注目ポイント② 一瞬の隙を見逃さないコートビジョン
越谷としては、バッツをゴール下に居座らせる代わりに、別の選手をピック&ロールのディフェンスに動かすことも考えられます。例えば、バッツがローソンを、クレイグ・ブラッキンズがフィッツジェラルドをマークしているような状況で、ローソンがスクリーンに向かう場合にはブラッキンズがそれについていき、バッツはそのままゴール下でフィッツジェラルドをマークする、という形です。ピック&ロールが始まるよりも前に、先にスイッチを済ませておくイメージですね。
FE名古屋としては、これはやらせたくないディフェンスだと思います。ゴール下にバッツが控えている上に、別の選手によってミドルレンジも潰されてしまうので。
対策としては、マークを受け渡すときの一瞬のズレを見逃さずに仕掛けることです。上の例では、スイッチする際にフィッツジェラルドが一瞬フリーになるはずなので、その隙にパスを通してシュートを打つ、といった具合です。
また、スイッチされた後に、再び別の選手がスクリーンを掛け直すのもいいと思います。何度もスイッチを繰り返させることで、ディフェンスに綻びが生まれるかもしれません。ビッグマン以外の選手もそこに絡んで、日本人選手と外国籍選手のミスマッチなどを強制できるといいですね。
いずれにしても、常に広い視野を持って、コート上のどこで何が起きているのか、今有利なポイントはどこなのかを把握してオフェンスを組み立ててほしいと思います。この辺りは、ベテランの横江豊や、広い視野と抜群の身体能力でハーフコートの端から端までパスを通すことができる杉本慶に期待しましょう。
注目ポイント③ 3Pに頼り過ぎない
注目ポイント①で紹介した飛田&松山に加え、キャプテン宮崎恭行や副キャプテン鹿野洵生の3Pが、FE名古屋にとって大きな武器であることは間違いありません。ですが、この越谷戦において、その3Pに頼り過ぎるのは非常に危険だと思います。
何度も書いているように、越谷のインサイドにはバッツが控えています。このため、越谷の他の選手にしてみれば、インサイドはバッツに任せて安心してアウトサイドのディフェンスに集中することができるでしょう。そんな状況でFE名古屋が3Pばかり狙っても、簡単に得点を奪うことはできないと思います。
また、相手にバッツがいるということは、簡単にはオフェンスリバウンドを奪えないということでもあります。そんな中で、確率の悪いシュートを打ち続けることは自殺行為とも言えます。
3Pを狙うにしても、やはりまずはバッツの控えるインサイドにアタックしなければ、勝利への糸口は見えてきません。FE名古屋の選手たちには、勇気を持ってリングにアタックする姿勢を見せてほしいところです。
まとめ
以上、越谷対策という名のバッツ対策でした。FE名古屋の横綱相撲vs越谷の横綱バッツ、注目の一戦はどちらに軍配が上がるでしょうか。さあ時間いっぱい!楽しんでいきましょう!!