ずっと一緒にいようね、って。
ずっと一緒にいよう。
そうだね、一緒にいようね。
そんな約束をした恋人とはお別れをすることになる、
気がしている。
この世に"ずっと"がないことを知ったのは、
中学生の頃、祖父が亡くなった時のこと。
祖父は色々な病気をしたが、そのたびに奇跡の生還を果たしていた。夏休みには祖父母の家に従姉妹と2人で遊びに行き、1週間お泊まりして、ドライブに行ったり、プールに行ったりした。
もうこれ以上は手を尽くせない、となったとき、
日に日に弱々しくなっていく祖父をみても、
それでも私は当たり前のように祖父が元気になって帰ってきてくれると思っていた。
こんな風に一緒に過ごす日々が"ずっと"続くと信じていた。
小学生の頃、ひいおばあちゃんが亡くなったのだが、幼かったこともあり実感がわかなくて気づいたらいつもひいおばあちゃんがいたベッドがからっぽになっていた。
だから祖父の死は初めてしっかりと意識した、
"ずっと"が消えてしまった経験だった。
それからは"ずっと"なんてないとわかっていたはずなのに、高校1年生の春に初めてできた彼氏のことが大好きで、ことあるごとに"ずっと一緒にいようね!"なんて言っていた。
もちろん彼も"ずっと一緒だよ"と言ってくれていたが、
3年半お付き合いをしたあと、呆気なく終わりを迎えた。
彼から別れを告げられて、カフェでぼろぼろなきながら、あぁ、ずっとなんてやっぱりないんだったな。と感じた。
その後にお付き合いした人とも、当たり前のように将来の話をして、"ずっと一緒にいようね"というやりとりをした。
…そしてそのたびにお別れをした。
一度で学ばない私も私だが、好き!という気持ちが高まりついつい"ずっと"ということばを使いたくなってしまうのだ。
たかが口約束だけど、それでもどうにか一緒にいたいから、ずっとという言葉に縋りたくなる。
そこから時がたち、私は25歳、社会人4年目になった。
今の恋人とは、年齢もあるだろうが、今までの人たちとはまたちがう将来がみえている。
今までは漠然としていた将来が、彼とは具体的にイメージできる。
付き合ってもうすぐ2年、
実は彼とは"ずっと一緒にいよう"というやりとりをしたことがない。
言いたくないわけではない、
けれど言おうと思ったことがないのだ。
けして好きじゃないからではなく
"ずっと"という言葉に縋らなくても、頼らなくても、
一緒にいられる気がしているからだ。
彼との未来には色々と課題があるし、とんとん拍子ではいかないのがわかっているのだけど、それでもなんでかな。うまくいくんじゃないかと思っている。
祖父の時のずっとと、恋人とのずっと、友人とのずっと、家族やペットとのずっと…
全部違うずっとなのはわかっているし、
やっぱりこの世に"ずっと"なんてない。
それでも、"ずっと"という言葉に縋らなくても信じられる彼との関係がこれからも続くことを願っている。
(とかいってわかれてしまったら笑ってください!!!)
21.10.24 ぴぃ
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