気をつけてほしい、飛行機で“意外と”よくある「指輪」の落とし物《CAの教訓》
こんにちは。《CA.jp》編集担当スタッフです。
客室乗務員をしていると、機内でのお客様の様々なお忘れ物や落とし物に遭遇することがあります。
スマートフォン、傘、帽子などは定番のお忘れ物ですが、その他にもお子様連れの場合はお子様のおもちゃや靴下などもよくあります。
お客様が降機されるとすぐに客室乗務員は座席周りの確認を行い、忘れ物を見つけた場合はすぐにその空港の地上係員の方に引き継ぎます。
お客様がすぐに「忘れ物に気づきますように」との思いも込めて引き継ぐわけですが、中にはその逆のパターンもあります。
というのも、ある女性のお客様から「機内に指輪を落とした」と機内でのサービス時にお申し出がありました。実はこのお申し出、意外と多いのです。
私がたまたまよく遭遇するだけかもしれませんが、私は何度も経験したことがあります。
今回のお話しの便は国内線だったのですが、どうやら指のむくみが気になり結婚指輪を一瞬外したそうです。そのときに指輪が座席の下に転がり落ちてしまい、行方不明になってしまったそう。
サービス終了後から着陸前まで私たちもお客様と一緒に必死になって探しましたが、なかなか見つかりません。そのまま着陸態勢へと入ってしまったので、お客様の降機時に再び捜索を開始しました。
まずは座席周辺を探し、そのあとに範囲を広げて客室内すべてを探すのですが、次便の運航もあるため限られた時間の中で見つからないこともよくあります。
お客様全員が降機したあとに整備士さんに来ていただき、当該のお客様やその横の座席のシートを剥がして座席の“内部”まで見てもらいました。
すると、整備士さんが「あった!」と座席の“内部”の金具部分に引っかかっていた指輪を発見!乗務員全員が笑顔になり、整備士さんも一緒に拍手喝采でした。
ほんとうに心からほっとしました。
お客様はすでに降機されていたので、地上係員の方に見つかった指輪を引き継ぎます。そのためお客様の喜ばれる顔は直接見ることができませんでしたが、お気持ちを考えるとさぞ安心されたことだろうなと思います。
機内ではとくに指輪は転がりやすく、機内にはさまざまな“隙間”が多いので、一度落としてしまうとそのまま行方知らずになってしまうことがよくあります。
さらに、離着陸など機体が前後に大きく傾く時間を挟んでしまうと、もうどこに転がってしまったのか見つけるのは至難の業。
私も何度もお客様の指輪を探した経験がありますが(ちなみに先輩CAの指輪をギャレーで大捜索したことも)、残念ながら見つけることができなかったケースもあります。
その際は関係者に引き継ぎ、しかるべき対応をとるしかないのですが…乗務員全員モヤっとした気持ちが残ったまま、1日を終えることに。
お客様のお気持ちを考えるとどうにも気分が晴れませんでした。
飛行機に乗る際は、どうか指輪は落とさないようにお気をつけくださいね。
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