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イングランドでバグパイプが演奏される町モーペス

スコットランドに住んでいた時、どこからか風に乗ってバグバイブの音がよく聞こえてきた。

伸びやかで乾いた音で、荒涼と風が吹き渡るスコットランドの丘陵に連れて行かれるようだった。

スコットランド人の友達とモーペス(イングランド北部ノーザンバーランド地方の町)を通った時、この町にバグパイプ関連の施設があると聞いて以来気になっていた。


ローカルバスで2階に上れば両側に花畑や草原が広がりずっと遠くに行くかのよう。

ビューンと高速を抜けるようにして全然停車せず、20分ぐらい走ると古い石造りの小さな家がポツポツと見えてきて、大きな川の石の橋を(写真)渡ったら、モーペスのハイストリートに出会う。


ハイストリートのお店はビクトリア時代のたただずまいがまだ残っている。

川沿いの丘の上はちっちゃなお城の、エアビーになってるみたい。

下記ピンクのイラストはバグパイプ博物館でもらったリーフレットから。


バグパイプ博物館のある建物のイラスト。700年ほど前キリスト修道士がこの橋を渡る人から通行料を取った。死者へ聖歌を歌ったのでチャントリーと呼ばれる。

冒頭の写真、橋の左の建物が友達が言ってた施設だけど、ツーリストインフォメーションになっている。
アレもしかして見当違いかも、、と恐る恐る聞いてみた。

「バグパイプの施設か展示のようなものがあるそうですが」
「2階よ。ほらあそこから!」
「入場料おいくらですか」
「無料です」
(心の声)「無料って言うから、展示一点だけとかねー?」


螺旋階段を登ると誰もおらず、学校の2教室分位ほどのスペースに本物のバグパイプが、ガラスのショーケースの中にいくつも並べられていた。

ノーザンバーランドの小さなパグパイプ

予想外に丁寧な展示で、ヨーロッパのバグパイプの歴史と各国や地方によっての違いが詳しく紹介されて現物も展示されていた。

ノーザンバーランドのパグパイプはマウスピースがなくて、脇の下で袋を抑えて空気を押し出す。最後に貼ったリンクのYouTubeを見るとわかりやすい。

アイルランドのバグパイプ

バグバイブは13世紀から14世紀頃ヨーロッパ中それぞれ独自の仕組みやら音で演奏されてきたそう。

貧乏な人から貴族までイギリスのビクトリア女王も好んでてたらしい。

13世紀の最も古い物語の1つであるチョーサーのカンタベリー物語にもバグパイプの記述があるとのこと。


スコットランドのバグパイプは姿も音も大きい。

スコットランドのバグパイプは大きく、ノーザンバーランドのバグパイプは小さくてスコットランドの3分の1位しかなく音も小さい。

ずっと流れているバグパイプらしき音楽は、長く伸び複数の音が重なるオルガンのような音質、軽くて踊れるような調べがアイルランドの民族音楽とも似ている。

ワンズベック川のほとりは公園として整備されて散歩できる。

バグパイプ、そもそもどこから来たのだろうと後で検索したら、どうやら発祥はアラブらしい。

古い時計塔の広場で昔、牛や羊の大きな市が開かれていた。

アラブのは見かけはまるで違って小さな笛って感じで旋律もかなり違い、より哀愁が漂う。美しく涙が出て困る。

イングランドでは、もうモーペス以外でパグパイプ吹く人はいないらしい。


ノーザンバーランド(イングランド北部)のバグパイプ
northumberland pipe

https://m.youtube.com/watch?v=2VcPN31Ssg4

スコットランドのパグパイプ
https://m.youtube.com/watch?v=NefgevS-kRM

アラブのパグパイプ
https://m.youtube.com/watch?v=i2zx1KUZP6c


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