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嘘がつけないくらい脳内が騒がしい1日の記録

4月1日

例年、前日からソワソワする。
新しい年度、新しいクラス、新しい学校。
世渡り上手な私は、新しい環境はどちらかというとワクワクする。
加えて、私は学年一の早生まれ。
この日が誕生日である。
だから、決まって「今日なんだか生まれ変われる気がする」を
身に纏って歩く日
なのだ。

***

今年も、例に違わず前日からソワソワしていた。

大学同期の華々しい門出、華々しい進路。
「明日から、みんな立派に働くんだよな〜」
なんて考えながら寝てしまったのが悪かった。

結局よく眠れず、いつも通り朝ごはんを食べて、いつも通り電車に乗る。
いつも通り、大学図書館に向かう。リュックがずしりと重たい。
電車に揺られながら、
焦りという気持ちが浮かんできて、揉み消そうにも、また浮かぶ。

大学に着くと、

新入生全員対象の試験があるようで
昨日までは2、3人しかいなかったキャンパス内は、
春らしい初々しさと活気で満ちていた。
確か1年前までは喫煙所だった場所が今はもう廃止され、
新入生たちが朗らかにお弁当を食べる場所になっていた。
加えて、学生証をかざせば入場させてくれる図書館システムが
「大学5年生」を認識して、私の入場を阻止しようとする。
ーーあ、やばい。「春」という変化に、フルボッコにされそう。

でも、そうは言ってられない。
午後には、企画中の事業に関して、お世話になっている方に
相談に乗っていただくことになっていた。
焦る気持ちをなんとかねじ伏せて、資料を整理しようと
パソコン画面に意識を集中させる。

***

「人生はマラソンですからねえ」

2時間に及ぶ事業相談を一通り終えたところで、
気付けば私は自分の焦りをその方に吐露していたようだ。

「マラソンとはどういうことでしょう?」
素直に聞いてみた。
「そのまんま、持久走です。ただ、淡々と自分の道を走り続けるだけです。横の人なんて本当に見る必要はない。よくいう話ですが、人生何が起こるかわからない。病気をしたり、経済状況の変化があったり。自分の道だけを淡々と走っていれば、いつの間にか状況が変わっていますよ」

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ありがたい…多分、誰かにそう言って欲しかった。
そう顔に書いてあったかもしれない。
せかせか短距離しか見えていないのを、見透かされた、、やっぱり、。
でも、焦りがやっとどこかに巣立って行ってくれた気持ちだ。
その方との話し合いで見えた、たくさんの"宿題"を抱えて
誕生日、帰り道の足取りは軽かった。
やっぱり、4月1日は決まってワクワクする日なのだ。

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