つぶて

 色も違うし、尖っていて危ないからと、敷き詰められた砂利のなかから拾い上げられ、打ち捨てられる運命です。

 抵抗することも、逃れることも、隠れることさえ、すべては所詮、妄想です。

 変色や研磨なんて、不可能なんですから。ただそこにいることしかできない以上、必ず発見されて、つまみ上げられて、放られるんです。

 そうして、硬いアスファルトの上で焼かれるんです。踏まれて蹴られ、傷だらけになって。輪郭が、砕けて割れて。痩せに痩せて。

 最後は水か泥に溺れて、あるいは苔か雑草の根の底に沈んでいくんです。そこだけが、許された場所なんです。強いられた空間。最後にいきつくのは。

 そういうふうに、決まってるんです。

 偽ることなんて、ごまかすことなんて、できっこないんですから。

 そういうものなんですから。

                               (了)

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