名古屋でいちばんゆるい読書会 第99回 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
昨日開催した読書会の模様をお伝えします。
企画趣旨
サマーセットモーム『世界の十大小説』という作品があります。
その中で取り上げられている作品を2ヶ月に1作品ずつ読んで読書会のテーマにしようという試み。
第1弾はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。
参加者の顔ぶれ
今日の参加者は3人。
1人は毎月参加してくださる常連さん。
もうひとりは初参加。純文学好きで特に大江健三郎、中村文則、阿部和重のファン。
最後のひとりも初参加。海外文学好きでこの企画で取り上げる作品は何作か読んでいる方。
翻訳について
本作の翻訳については
岩波文庫
新潮文庫
光文社古典新訳文庫
が手に入る。
今回参加者全員が光文社古典新訳文庫を使用した。
読書会で話題になったこと
光文社古典新訳文庫は本編4巻、エピローグ別巻の五冊。
全員の読んだ感想は、1巻を読むのが大変だったが、裁判シーンから
一気に読めたという意見。
個性的な登場人物のそれぞれのエピソードが印象的で、いろんな事を
自問自答した。
登場人物にはいろんな側面が見られ、完全な善人はいないし、完全な悪人もいない。人間の多面性を感じた。
本書の登場人物で自分と似ているキャラクターは誰ですか?
という質問が一番盛り上がった。
完全に一致するキャラクターはいないというのが、全員の意見。
複数のキャラクターの一部分が似ていたり、それだけでなく、こうありたい!こうなりたい!という理想像を自分に重ねて読んでいた。
善悪を完全に割り切る事ができない、多面性があるからこそ、皆さん共通の感想になったのではと思う。
まとめ
『カラマーゾフの兄弟』のオススメポイント
・最初は我慢して、裁判シーンは一気読み
・好きなキャラクターはどうなるのかを気にしながら読み進めると面白い
・キリスト教に詳しくなくてもその思想に触れられる
・様々なエピソードから自分ならどう行動するか考察できる題材が豊富
・父殺しは誰?というメインテーマでミステリ・サスペンス要素あり
・下手な小説、ビジネス書、自己啓発本数冊の重厚で濃厚な読書体験が得られる
読んだ後はこう思うに違いない。
大変だったけど、読んでよかった
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