卑怯なビジネスモデル
喫茶店「こぐま」は、午後3時になると特に静けさが増す、落ち着いた雰囲気の店です。
ここで毎週のように顔を合わせるのが、ビジネスモデル鑑定士の古賀さんと、型破りな発想で周囲を驚かせる谷川さん。
古賀さんは、豊富な経験と少し控えめな態度で新しいビジネスの可能性を探る一方、谷川さんは予測不能なアイデアを次々と持ち出し、いつも古賀さんを驚かせます。
今回は、そんな2人が「卑怯なビジネスモデル」について話を繰り広げます。果たしてどんなアイデアが飛び出すのでしょうか？
古賀さん「おや、谷川さん」
谷川さん「まいどー。古賀さん、今日も3時に登場！ この店の3時担当、確定ですね」
古賀さん「ふふ、まあ習慣ですからね。ところで、今日はなにか奇抜な話はありますか？」
谷川さん「奇抜と言われちゃうと照れますね。今日はさっきから“卑怯なビジネスモデル”について考えてましてね」
古賀さん「卑怯ですか。前回の延滞料や記念日代行サービスの話も卑怯でしたね」
（前回）
谷川さん「そうそう、それよりもうちょい“攻めた”話がしたくて。聞いてくれます？」
古賀さん「もちろん、どうぞ」
谷川さん「じゃあ、最近思いついたアイデアを一つ。『スマホ応援サービス』ってどうでしょう？」
古賀さん「スマホ応援サービス…？」
谷川さん「うん。人ってスマホを使っているとき、ネットが遅いとか、アプリがすぐ落ちるとか、イライラすること多いじゃないですか？そんなとき、画面越しに優しく励ましてくれるAIサービスです」
古賀さん「励ます？それはまたユニークな発想ですね。どういう仕組みですか？」
谷川さん「たとえば、アプリがクラッシュした瞬間に、『大丈夫、次はきっとうまくいくよ！』とか、ネットが遅いときに『焦らずいきましょう、人生もネットもたまには待つことが大事です』って声をかけてくれるんです」
古賀さん「ほほう。つまり、イライラを逆手に取ってリラックスさせるわけですね。でも、それでビジネスになるんですか？」
谷川さん「いい質問！このサービスはサブスクモデルで月額制にするんです。どうです、卑怯っぽくないですか？」
古賀さん「確かに、イライラを解消するために課金させるというのは、ちょっとズルい気もしますね。でも、スマホユーザーの心の隙間に入り込むという意味では、なかなか面白い」
谷川さん「ありがとうございます！で、これに付け加えて、プレミアム会員は“さらに元気が出るメッセージ”を受け取れるとかね」
古賀さん「プレミアム特典まで…抜け目ないですね。でも、卑怯と言うよりは“巧妙”という印象です」
谷川さん「でしょ？でも、次はもう少し卑怯っぽいのを考えました。聞きます？」
古賀さん「どうぞ、今日は調子がいいですね」
谷川さん「次は『無駄な会員費サービス』！」
古賀さん「無駄な会員費…？」
谷川さん「うん。毎月一定額を払って、何も受け取れないんです。でも会員であることで“無駄遣いをしているスリル”が楽しめる。どうです、卑怯でしょう？」
古賀さん「卑怯ですね。お金を払ってスリルを得るなんて、これも一種の心理的トリックですか」
谷川さん「意外とハマる人がいると思うんですよ。無駄遣いが楽しいって人、結構いますからね」
古賀さん「それは面白い。人の心理をうまく活用するという意味ではビジネスの可能性もあるかもしれません。でも、倫理的に問題が出そうな気もします」
谷川さん「そうですね。でもビジネスって、意外なところにニーズが隠れているもんですよね。たとえば、他には…『遅刻お助けアプリ』とか」
古賀さん「遅刻お助け？」
谷川さん「そう！遅刻したときに、その場で言い訳を自動生成してくれるんです。『すみません、電車が急に逆方向に走ったんです！』みたいな、ちょっと信じられないけど面白い理由を作ってくれる」
古賀さん「ははは、それはもう笑いを誘うレベルですね。ビジネスになるかどうかは別として、面白い発想です。でも、それも“卑怯”というよりは、ジョークアプリとして楽しめるかも」
谷川さん「確かに。でも、何かしら人の“弱み”や“困ったとき”を利用するビジネスって、割と成立しますよね」
古賀さん「ええ、弱みやイライラを解消することに価値を感じる人は多いですからね。谷川さんのアイデアはその点をついています」
谷川さん「ふふ、古賀さんにそう言われると嬉しいな。ところで、僕の話ってどうしてこんなに古賀さんに聞いてもらいたくなるんでしょうね？」
古賀さん「それはきっと、あなたが私に新しい視点を提供してくれるからですよ。私も勉強になりますし」
谷川さん「いやあ、そんな風に言ってもらえるとまた新しいネタを考えたくなりますね。じゃあ、次回も期待しててください！」
古賀さん「楽しみにしています。では、次の3時にまた」
谷川さん「まいどー、次回も卑怯なアイデア持ってきますね！」
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