すっとこどっこいのビジネスモデル
「すっとこどっこい」という言葉は、一見すると非ビジネス的な印象を受けます。
しかし、この言葉の中に、個人事業の新しい可能性が隠されているのかもしれません。
今回は、アロマサロンを経営する伊東さんと、ビジネスモデル鑑定士として活動する古賀さんとの会話を通じて、「すっとこどっこい」の可能性を探ってみたいと思います。
2人の対話からは、小規模ビジネスだからこそできる大胆な発想のヒントが見えてくるかもしれません。
伊東さん「古賀さん、今日はお時間取っていただいて、ありがとうございます」
古賀さん「いえいえ、僕こそ、定休日にお付き合いいただいて。コーヒー、もう少しいかがですか？」
伊東さん「ありがとうございます。あの、突然LINEで『すっとこどっこいビジネスって何ですか？』って送ってしまって…失礼でしたよね」
古賀さん「いえ、むしろ面白いところに目をつけましたね。伊東さんらしい」
伊東さん「実は昨日、SNSで『すっとこどっこいビジネス』って言葉を見かけて。調べてみたんですけど、よく分からなくて」
古賀さん「へぇ、どんなコンテキストで出てきたんですか？」
伊東さん「最近のビジネスは『すっとこどっこい』じゃないとダメみたいな…そんな投稿でした」
古賀さん「なるほど。それで気になったと」
伊東さん「はい。私のアロマサロン、このままじゃいけない気がしてて。去年の講演会で古賀さんにお会いして以来、ずっとその悩みを抱えているんです」
古賀さん「ええ、覚えていますよ。確か『普通のアロマサロンじゃ埋もれちゃう』とおっしゃっていましたよね」
伊東さん「はい…。それで『すっとこどっこい』って言葉に、なぜか惹かれてしまって」
古賀さん「（笑）面白いですね。実は、その感覚は正解かもしれません」
伊東さん「えっ、本当ですか？」
古賀さん「ええ。でも、その前に…あ、すみません、つい講義モードに入りそうになってしまいました」
伊東さん「あ、私は全然大丈夫です！ むしろ古賀さんの説明、いつも分かりやすくて…」
古賀さん「いやいや、僕の話し過ぎは要注意なんです。伊東さん、むしろ『すっとこどっこい』についてどう思われますか？」
伊東さん「そうですね…なんか、ふざけているようで、でも実はすごく真面目？ そんな感じがするんです」
古賀さん「おお！ その直感、すごくいいですね」
伊東さん「本当ですか？」
古賀さん「ええ。たとえば…あ、またしても。伊東さん、面白いビジネスの例って思いつきますか？」
伊東さん「うーん、この前テレビで見た『猫が店長のカフェ』とか…でも、それはもう珍しくないですよね」
古賀さん「でも、最初に始めた人は『すっとこどっこい』と思われたはずです」
伊東さん「あ、確かに！『店長が猫』なんて、普通に考えたらおかしいですもんね」
古賀さん「そうなんです。『すっとこどっこい』なビジネスの特徴は、最初は『何それ？』と思われるけど、実は意外なニーズを掴んでいること」
伊東さん「おお！ なんかわかってきました。でも、どうやってそういうアイデアを思いつけばいいんでしょう？」
古賀さん「それが…あ、すみません。伊東さんのサロンで、お客様から『変わった』要望って、ありますか？」
伊東さん「そういえば…『アロマの香りを嗅ぎながら漫画を読みたい』って言うお客様が何人もいるんです」
古賀さん「おお！」
伊東さん「普通のアロマサロンでは考えられないですよね。でも、確かにリラックスはできそうです」
古賀さん「それ、すごく面白いですね」
伊東さん「えっ、そうですか？ 私、それ聞いたとき『困ったな』って思ったんです」
古賀さん「なぜですか？」
伊東さん「だって、アロマサロンなのに漫画…なんか、品が下がるというか」
古賀さん「ああ、分かります。でも、それこそが『すっとこどっこい』チャンスかもしれません」
伊東さん「どういうことですか？」
古賀さん「普通のアロマサロンは『高級感』を演出しますよね。でも、それって、かえってストレスになる人もいるのでは？」
伊東さん「確かに！ 緊張して来店される方、多いかも」
古賀さん「そこで『漫画も読めるアロマサロン』。面白くないですか？」
伊東さん「でも、そんな…あ、待てます。確かにお客様の中には『リラックスしに来てるのに、なんかカチコチしちゃう』って言う方も…」
古賀さん「そうなんです。『すっとこどっこい』は、実は潜在的なニーズを掘り起こしているんです」
伊東さん「なるほど！ じゃあ、漫画コーナーとか作っちゃいます？」
古賀さん「おや、さっきまでの躊躇はどこへ？（笑）」
伊東さん「だって面白そうじゃないですか！ しかも、漫画って意外とお金かからないですし」
古賀さん「そうそう。小規模事業だからこそできる『すっとこどっこい』もあるんです」
伊東さん「あ、閃きました！ 『推し』の漫画を持ち込んでもらって、その世界観に合わせたアロマをブレンドする！」
古賀さん「おお！ それは斬新ですね」
伊東さん「ありがとうございます！ なんか、『すっとこどっこい』って、要は『既存の常識を疑う』ってことですよね？」
古賀さん「（笑）あれ、もう講義は要らないかな」
伊東さん「古賀さんのような先生がいてこその気づきです。また行き詰まったら、相談に来てもいいですか？」
古賀さん「もちろんです。でも、その前に、まずは漫画コーナーの経過報告を楽しみにしていますよ」
伊東さん「はい！ 今度は『すっとこどっこい』な成功事例として、ご報告できるように頑張ります！」
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