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厚生労働白書 ~こころの健康~

令和6年の厚生労働白書が発表されました。テーマは「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」です。うつ病の患者数は増加し、自殺者数も諸外国に比べると割合が高いです。うつ病はこころの風邪と言われるようになり、特別な病気ではなく、風邪のように誰でもかかるものという認識も定着してきました。

医療機関としては、地域包括ケアシステムや地域共生社会の実現を進めていく上で、こころの健康に関する啓発活動や居場所づくり、駆け込める場所としての機能が求められます。

さらに、従業員を抱える組織としては、職員のこころの健康を維持できる取り組みも欠かせないでしょう。予防策はもちろん必要ですし、それでも発生してしまうことはあり得るので、職場復帰の仕組みや雰囲気づくりも必要です。健康診断や産業医事業をしているところにおいては、他の事業所への提言や対応も求められます。

白書では、こころの健康の問題は年齢に関わらず生じることが指摘されています。働き世代だけでなく、子供も高齢者も背景は違っても精神疾患を患う可能性があります。精神科をもつ医療機関だけの問題ではなく、あらゆる医療機関が対峙することが求められる社会課題といえるでしょう。
 

参考

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