【将棋】初段になりました
将棋ウォーズで初段になりました。申請すれば日本将棋連盟から正式に初段の免状がもらえます。実はこのためにここ1年半勉強していたので、すごく達成感があります!
せっかくなので初段になるまでに採用した戦法や意識したことを少し書いてみたいと思います。
2級→1級 向かい飛車
少し遡って2級から1級に上がった時のことを書きます。この時は向かい飛車を主に指していました。
2級まではスムーズに上がれたのですが、そこから伸び悩んでしまい、色々な戦法を試して最も勝率が高かったのが向かい飛車です。結局、私は向かい飛車で1級に上がることができました。
私は元々居飛車党で、今は振り飛車を指していますが、どちらかというと今でも居飛車党だと思っています(後述しますが、中飛車左穴熊も指しているなど “居飛車風な” 指し方が今でも指しやすいと思うため)。
ですが居飛車ではどうしても2級から上がることができず、振り飛車の勉強を始めて四間飛車・三間飛車・石田流などさまざまな戦法を試しました。
その結果として向かい飛車が一番指しやすく、かつ勝ちやすかったです。
この理由を分析すると、向かい飛車を指している人がレアで、2級の棋力帯では対策がわからない方が多いことや、相振り飛車で強い戦法だということなどがあると思います。
アマチュアなので振り飛車党が多く、相振り飛車にはそこそこの確率でなるのですが、基本的に相振り飛車では、飛車が玉に近い方が強いとされているようです(ただしゴキゲン中飛車は除く)。
ただ向かい飛車は大原則として相手が居飛車党かつ飛車先の歩を2回突いてきた場合の作戦です。相振り飛車では強いですが、相手が飛車先の2五歩(8五歩)を保留する居飛車党や右四間飛車には苦しくなることが多いです。
そう、右四間飛車。向かい飛車で一番苦しめられたのが右四間飛車です。
1級→初段 ゴキゲン中飛車
右四間飛車、正直言ってめちゃくちゃ強いです。
居飛車を指していた時も振り飛車でも右四間飛車には辛酸を嘗めさせられました。
ただ右四間飛車にはひとつだけ弱点があります。それは……
右四間飛車は、相手が角道を止めないとできない
ということです。
角道を開いたまま戦う戦法や、そもそも角道を開かない嬉野流のような戦法に右四間飛車はできません。
そこで最初は向かい飛車で角道を開いたまま戦う、角道オープン向かい飛車という戦法を試しましたが正直かなり難しいです。
一応、大野流向かい飛車や鬼殺し向かい飛車のように、戦法として成立するものはあります。ただ指しこなすのは難しく、成立条件も限定的でメインの戦法にするのは難がありました。
ただ大野流向かい飛車の出だしは……実は、ゴキゲン中飛車の出だしと同じなのです。
つまりゴキゲン中飛車でもし序盤で角交換された場合、大野流向かい飛車に合流するという指し方が成立するのです。向かい飛車を補助的に指すのには自信がありました。
これがあったため、私はゴキゲン中飛車に活路を見出しました。
そしてゴキゲン中飛車へ……
ゴキゲン中飛車。角道を止めない上5筋の位を取るので右四間飛車の大前提である腰掛け銀を防げるという、右四間飛車キラーのような戦法です。
右四間飛車対策に難儀していた私が辿り着いたのはゴキゲン中飛車でした。
最近専らゴキゲン中飛車を指しているのですが今のところ一度も右四間飛車に苦しめられていません。
右四間飛車対策になるだけでなく、単純に戦法として超優秀なのです。
相手がどんな戦法でもゴキゲン中飛車は組めます。居飛車だろうか振り飛車だろうが。そして自分から攻めていける。
中飛車左穴熊!!!
さらに特筆すべきは右でも左でも穴熊が組めるということです。
相手が居飛車で来たら右に、相手が振り飛車で来たら左に穴熊を組める。超優秀。
ゴキゲン中飛車で左に穴熊を組む戦法は、その名の通り中飛車左穴熊という名前がついています。これが中飛車+居飛車穴熊でガチで強い。
もちろん(片)美濃囲いで戦ってもいいです。状況次第で高美濃を組むことも多いです。
中飛車で美濃を左に組む戦法には名前はついてるのかな? 相振りなら全然有力だと思います。
ゴキゲン中飛車が組めない場合
ゴキゲン中飛車が組めない場合は非常に稀ですがいくつかあります。
後手番で☗2六歩☖3四歩☗2五歩☖3三角☗7六歩という変化。☖5四歩は☗3三角成☖同桂☗2四歩が厳しいです。そこで☖2二飛とし角道オープン向かい飛車にします。☗3三角成なら☖同桂で鬼殺し向かい飛車に合流します。
☖2二飛に代えて☖4四歩も有力です。穏便に指す場合はそうします。
先手番で☗7六歩☖3四歩☗5六歩☖8八角成という変化。☗同銀は☖5七角から馬をつくられ厳しいです。そこで☗同飛とし大野流向かい飛車に合流します。
大野流向かい飛車も馬をつくらせて手得を主張する作戦なのですが、中飛車で馬をつくらせてしまうと馬の働きがよく不利になってしまうと思います。
このようにゴキゲン中飛車が組めない場合は向かい飛車にすればよく、私の向かい飛車の経験とも親和性が高いのです。
所感:初段の強さ
以前は初段の人とマッチするとすごい強そう……! と気迫で負けていた感があるのですが、最近はマッチすることが増えてきて、初段の方には五分で勝て、二段や三段の方ともマッチして勝てるようになってきました。
初段って実際どれくらいの強さ? という個人的な所感を書いてみます。
結論から言うと……
棋書を読んで勉強し、基本に忠実に指せるレベル
だと思います。
どんな分野でもそうですが、最初は我流でやると失敗するってよく言いますよね。将棋でもそうです。やっぱり、先人の考えた戦法ってすごいんです。
初段というのがどれくらい強いか。個人的には、基礎・基本に忠実に指せるレベルだと思います。
ただし変化が多く難しい戦法や、奇襲戦法のように正しく受けられると不利になる戦法で初段になるのは至難の業です。できれば変化が少なく簡単で、有力な戦法がよいと思います。
また相手の出方次第で戦型が変わったり受け気味になる戦法も難しいです。自分の形で積極的に攻めていける戦法がいいと思います。
私は将棋の戦法をすべて知っているわけではないので、世の中にはいろいろな戦法があると思います。そんな中で個人的にはゴキゲン中飛車がよかったと思いました。
達成感
約1年半棋書を買ったりしてちまちま勉強・練習していたので、すごく達成感あります。
実はその間も2度昇級していたのですが、初段になるまでは恥ずかしいのであまりこういった記事を書かないことにしていました。ですが今回初段になったので、嬉しくてつい記事を書いてしまった次第です……!
近いうちに初段の免状を申請しようと思っています。聞くところによると、会長・竜王・名人の直筆で署名が入る関係上、申請から発送まで何ヶ月も待たなければならないそうです。
署名入りの免状は初段からです。これもひとつの推し活ですね? 有段者の特権です!w
届いたらまたご報告したいと思っています!