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Call me By your nameより
Call me By your name
話題作である
『Call me By your name 〜私の名前であなたの名前を呼んで〜』
この映画を見た中で
いくつかの忘れられないシーンにて紡がれるセリフがある。
今回はその意味を解きたい。
If you press me to say why I loved him, I can say no more than because he was he, and I was I.
もしも人から、なぜ彼を愛したのかと問い詰められたら、「それは彼が彼であったから、私が私であったから」と答える以外には、何とも言いようがないように思う。
モンテーニュのエセー@友情について の中に書かれている言葉。
人を愛することに理由はなくて、愛することは相手があっての事で。
愛する人と、その相手が同じように愛することって奇跡のような事で。
人を愛することだけでも、本当に素晴らしく素敵な事で
愛せる相手がいることも幸せで、、そんな事はまた改めて書こうかな。
映画の中では紆余曲折ありながらも、秘密の関係になるふたり。
秘密の関係
肉体的だけでなく相手が傷つかないよう、
後悔しないよう心の奥底から精神的に、
真剣で嘘偽りなく愛している。
それが伝わったが故にこのセリフが出てくるのだ。
Call me by your name and I'll call you by mine
君の名前で僕を呼んで、僕の名前で君を呼ぶ
タイトルにも用いられている言葉。
映画の芯になっている言葉。
この言葉にある深い意味は本当に素晴らしく、
正直私なりに理解した時羨ましいとしか思えなかった。
どうやったらこんな言葉が生まれるような愛が生まれるのだろう、と。
自分にとって愛する人は自分自身で、
愛する人にとって自分は愛する人で。
お互いが上下とかでなく、イコール(対等)で
居られる、結ばれている愛。
そんな関係性。
本当に美しい。
映画の終盤、同性の教え子と愛し合っていた息子を理解していた父親が
彼との別れを経験した息子にかけた言葉。
「善良な二人は友情以上の絆を得られたようだね。羨ましいよ。 普通の親なら息子の熱が早く覚めるようにと願うだろうが、 私はそんな親ではない。今はまだひたすら悲しくて苦しいだろう。 その痛みを葬るな。感じた喜びも忘れずに」
肉親から我が子へ、なかなか言える言葉ではないのではないだろうか。
彼らの関係を"友情以上の絆"と言い表すくらい、きちんと認め(容認と言うべきか?)、理解を示し、受け入れる父親。
そして、普通の親なら息子の熱が早く覚めるように、と偏見が世に溢れている事も理解している上で彼らを一切否定しない。
素敵すぎる父。
悲しくて苦しい、その痛みを葬るな。感じた喜びも忘れずに。
人間の感情は、どんなものも学びとして必要なのだろう。
そしてここには悲しみ、苦しみ=痛み、喜び=幸せ、という感情。
これらを蔑ろにすることなく、受け入れ受け止め、学びとする。
全てが父からの愛が表れていると思う。
愛とは
儚くもあり美しいものでもある。
人が生きる上で必要不可欠だと思いたい。