中世の面影が残る城塞都市へ
ブリュッセルを含め、ヨーロッパの古い街はだいたい城塞都市から発展しているものですが、大きな都市では城壁や砦などの古い建造物はほとんど取り除かれて、今ではわずかな断片が記念碑的に残っているだけ…というところが多いです。でも地方の小さな街へ行くと、今も街が建てられた当時の面影を色濃く残している場合があります。
今回、4泊5日で滞在したフランス北部のブーローニュ・スュル・メールも、そんな地方都市のひとつで、街の中央部分には高い城壁に取り囲まれた中世の街並みがしっかりと残されていました。
城壁の内側はごく狭いエリアで、一方の端から反対側まで抜けるのに徒歩で10分もかかりません。その中に鐘楼があったり広場があったり大聖堂があったりするので、居住エリアの占める割合は半分ぐらいかも。もちろん、現代でも城壁の内側に居住している人々がいます。
大聖堂には翼廊から入ることができます。外から見えた高いドーム部分は内陣の上部にあたるのですが、いまは修復工事中で中から見上げることはできず、内陣を囲む周歩廊にも入れませんでした。ちなみに4月2日(日)の午前中にはキリストのエルサレム入城を記念するミサがあったらしく、入り口にはツゲの小枝が大きなテーブルの上に山盛りになっていました。
大聖堂を出て、城壁に登ってみました。この城壁の上は今では旧市街地をぐるりと一周できる遊歩道になっているので、滞在中は散歩がてら何度か歩きました。城塞都市自体が小高い丘の上に建てられたものなので、所々にある物見の塔から現代の街のパノラマが楽しめます。
ブーローニュ・スュル・メールに来た最大の目的は海辺にある水族館だったのですが、予約していた宿が旧市街地の近くだったこともあり、思いがけず中世の街並みを存分に堪能する滞在となりました。