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原宿の歩行者天国っていつ始まったの?(バンドブーム期の雑誌とか・補遺)
この前バンドブーム期の雑誌を載せたあと、家の別のところにホコ天関係のを置いてたのに気付いたので、少ないんですがそれを追加で載せます。イカ天とホコ天の資料を別管理している人、ばるぼら。
ついでだから一緒に原宿の歩行者天国について、いつ始まったかを書いておきました。これ、インターネットでいくら検索しても「1977年」という大まかな時期しか出てこないはずです。「7月から」と書いてるサイトはありますが、それは間違いです。注意。現時点ではどんなに探しても細かい日付がネットには載ってません。かつ、終わった時期について「1998年」と書いてるサイトがありますが、半分間違ってます。正確に知りたい人向け!
歩行者天国とは何かというと、暴走族を追い出すために始めた施策、と言われます。車がうるせーから通れないようにしてやったぜと。でも調べるとそれだけじゃないみたい。
日本における歩行者天国の成り立ち
「歩行者天国」の前は「遊び道路」「お買い物道路」というものがありました。あったんです、調べると! なにやら1969~1970年に交通事情に変化が起きているのでした。ちょっと面白かったから書かせてくれ。飛ばしていいけど。笑い。
(1)交通事故多すぎ問題
1969年に交通事故死者数が16,257人という過去最悪の数字を叩き出し(1970年の16,765人がピーク。2024年は2.663人)、ひどすぎる交通事情をなんとかしようと1970年8月20日から道路交通法が一部改正。飲酒運転の厳格化と罰則強化、免許取り消し後の再交付までの期間延長、新たな交通巡視員制度(それまで警察官だけに任せてた)のスタートなど、まず法整備を行っています。
(2)欠陥車多すぎ問題
1969年6月にアメリカから「トヨタ、日産に欠陥車がある」と指摘され、自動車の欠陥車騒ぎが本格化。それまで自動車メーカーは欠陥があっても公表しなかったのが、国民からの批判が高まり、全調査で全メーカーに欠陥があることが発覚、回収&修理することに。さらに自動車の欠陥が理由の事故があった場合、自動車メーカーが刑事責任を負うことにようやくなります。
(3)環境汚染問題
1970年8月20日の改正で排気ガス中の一酸化炭素の排出規制が定められました。新車で4.5%、中古車で5.5%。排気ガスの一酸化炭素の濃度がヤバい、とようやくみんなが言えるようになったようです。光化学スモッグ(排ガスの成分が紫外線で変化して起きるやつ)の問題も発生し、ようやく自動車=公害問題と認識され、自動車メーカーは環境に優しい車を作らなくてはいけなくなります。
で! こうした自動車バッシング的な動きが生まれつつある中で、自動車じゃなくて人間を優先させようという動きが生まれ、そうして一定期間、自動車が通れなくなる道路=「遊び道路」「お買い物道路」の取り組みが街で始まるのでした。
東京都の栄町本通り商店街振興組合のサイトを見ると〈1969年 8月 東京都で最初のお買い物道路としてPM4:00~7:00までの通行止めを実施、のちの歩行者天国の流行への先鞭をつけた〉という記述があります。この時間帯は自動車の乗り入れは禁止だよ!という商店街の発生。こういう前例となって、歩行者天国が誕生するのでした。
つまり、暴走族を締め出すうんぬんの前に、自動車というものへの反動、道路を人間に!という動きの結果が「歩行者天国」を生んだのです。
歩行者天国の最初は1970年8月2日(日曜日)、東京の銀座、新宿、池袋、浅草の目抜き通りで実施されました。別名「ノー・カー運動」と呼ばれていたようです。1971年7月20日に銀座・三越銀座店の1階にマクドナルドの第1号店が開店していますが、もし歩行者天国がなかったら成功していなかっただろう、と後年言われています。
※ところで!横浜の伊勢佐木町は1961年6月に既に自動車乗り入れ商店街を始めていたとの記述も確認できます。当時の伊勢佐木町は横浜の中心で、伊勢ブラという言葉もあったそうで、ぶらぶら歩くのが流行ったそう。これがどういう理由で始まったのかはちょっと詳細不明でございます。
原宿の歩行者天国の成り立ち
で、今回取り上げたい「ホコ天」は原宿の歩行者天国のことなのです。原宿で歩行者天国が始まった理由は、「原宿族」の追い出しが直接的な理由とされます。1966年にはもうこんな記事が新聞にあります。
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