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The Beach Boys / SMILE millennium edition(2011年『HOMEMADE MUSIC 宅録~D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド』)
The Beach Boys / SMILE millennium edition
Dumb Angel Records / CD / 2000
いつまでも続く録音作業で袋小路に陥り制作は中断、ジャケットの印刷までされながら発売は中止。膨大なフレーズの断片とBrian Wilsonの精神の病だけを残し、60年代を代表する幻のアルバムとして知られることになった『SMiLE』は、2004年にBrianのソロ作品として正式リリースされるまで37年の空白があった。その幕間を賑わしていたのが海賊盤で、このmillennium editionもそうした中の一枚だ。録音テープを無編集に収録した他の海賊盤とは異なり、フレーズを編集し楽曲を組み立て、曲順構成にも配慮。つまりは海賊盤作者が“俺の考えるSMiLE像”を提示する奇妙な本盤は、当時海賊盤専門誌で「萩原健太さんにも聞いてほしい」と絶賛されたほどだ(のち萩原氏は「Brianになれるわけないのに」と否定的に言及)。既に役目を終えたと思しき本作だが、伝説の作品を自分の手で完成させたいという業者のエゴを、どうしても否定できない。“37年前の『SMiLE』”は各々の頭の中で決着をつけなくてはいけない幻の音楽で、業者の試みもまた可能性の一つだったからだ。これがD.I.Y.でなくて何なのか?
<!--以下2020年コメント-->
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547字
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