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有名ジャケのフォントを探して再現してみよう!(2011年「drillspin」)

※この記事は「driispin」というサイト用に書いたものですが、2021年1月現在読めなくなっているので、ここに再掲します。

デザインとは文字から始まる! 使われてる書体を解明すればデザインはいくらでも真似られる! という仮説を検証すべく、有名なアルバムジャケットのタイポグラフィ/デザインを解剖してみた。ということで早速、試していきましょう。

世界一有名なバンドと世界一有名な書体

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The Beatles『The Beatles』(1968-11-22)

まずは初級から。“ホワイト・アルバム”の通称で知られるザ・ビートルズの1968年発表のアルバム。9月13日に亡くなってしまった“ポップ・アートの父”ことリチャード・ハミルトンによるデザイン。前年発表のアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の賑やかなデザイン(そちらはポップ・アーティストのピーター・ブレイクによるもの)とは真逆の、真っ白なジャケにバンドの名前が書かれたシンプルなもの。ふり幅がすごい。

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オリジナルはエンボス加工で「The BEATLES」の文字が浮き彫りになっていますが、CDは普通の印刷。この文字は1957年にスイスのハース社が発売したHelveticaという有名な書体(太さはBold)。あまりにも完成度が高く、この書体を使うとなぜかデザインが良くなってしまうために、世界中に波及しました。日本でもPanasonicやTOYOTAが自社ロゴに使っているので見覚えがあるかもしれません。

Helveticaを使ったジャケットといえばあれでしょう

ちなみにスティーヴィー・ワンダー『Music on My Mind』(1972年)ではHelvetica Bold、スライ&ザ・ファミリー・ストーン『FRESH』(1973年)ではHelvetica Mediumが使われています。

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ザ・ビーチ・ボーイズとフランク・ザッパの共通点といえば

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

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