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Penny Arcadeまとめ
フリッパーズ・ギターを好きになってから、後追いでたどり着いたのがペニー・アーケードでした。1992年にワンダーリリースレコードからCDが出てたのを数年後に知り、へーこれが、と買ったのが出会いです。フリッパーズより前にいた日本のネオアコバンドらしい……ということしか知らなかったんですが、実際に聴いてみるとこれが微妙に暗い! この暗さに最初は戸惑い、しかし何回か聴いてるといわゆるポップス的なメロディを聴かせるのではなくて、声色・歌い方を含めた全体が、ある種の雰囲気を持ったサウンドを志向しているんだとわかってきました。それが1980年代英国のインディバンドが持っていた雰囲気と通じ合ってると感じとれたのは、ラフ・トレードなどのレーベルの昔の音源をもうちょっと聴いた後です。
メジャーなレコード会社から発売され、プロの手が介入し商業ポップスとして完成されたフリッパーズのアルバムの明るさと比較して、本来のネオサイケ/ネオ・アコースティックが持っていた陰りのようなものが、ペニー・アーケードにはあったんじゃないかと思います。洋楽っぽいと思ってたフリッパーズがいかに日本的な音か、ペニー・アーケードから逆説的に理解したところがあります。
80年代前半の英国なら普通だったかもしれないバンドが、80年代後半の日本に唐突に存在している違和感。ポジティヴパンクなバンドはトランスレコード周辺にもいたものの、ペニーはゴスは経ていてもポジティヴパンクの匂いは感じさせず、ポストパンクをスタート地点にネオサイケ、ネオアコースティック、アノラックに接近した、英国から少し遠い日本ゆえの雑食性が独特の音を作り上げています。ペニー・アーケードに似た日本のバンドは存在しません。
これは前に神戸でZINEのトークイベントやった時に配布した冊子に載せてたデータに、その後わかった情報を付け足したものです。
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