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秀英体──平成の大改刻(2011年3月『アイデア』345号)
秀英体は大日本印刷株式会社(以下DNP)がまだ前身の秀英舎と名乗っていた時期に自社開発したオリジナル書体の名称で、改刻を続けながら、金属活字から写植、デジタルフォントへと受け継がれ、誕生から百年経ってなお前線で利用されている伝統的な和文書体である。二〇〇六年一月から「平成の大改刻」と銘打った秀英体ファミリーの大規模なリニューアルが始まり、従来の秀英明朝の全面見直し、秀英角ゴシックのリデザイン、秀英横太明朝や秀英丸ゴシックなどより多様化した需要に応えるための新書体を加え、秀英体をめぐる環境はこれまで以上に活況を呈している。本項では築地体と並び明朝活字の二大潮流とされる秀英体の軌跡を改めて辿ることで、この書体がなぜこれほど長く使用され続けているかの背景を浮かび上がらせる。
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