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伊勢神宮を車いすで参拝するには
<車いすでの伊勢神宮参拝>
一度でも来たことがあるならよくお分かりいただけるでしょうが、伊勢神宮は内宮(ないくう。皇大神宮)、外宮(げくう。豊受大神宮)とも、参道が非常に長く、砂利敷で、しかも途中にトイレや休憩場所もほとんどありません。ただ単に参道を往復するだけで、内宮なら約1時間、外宮でも20分程度はかかるので、足の不自由な方、体力に自信がない方にとって、参拝はいささかハードルが高いものになります。
そのため、内宮でも外宮でも、参道専用の車いす(手動、電動の2タイプ)が貸し出されています。
先ほど書いたように、参道は砂利敷なので、普通の車いすだと前輪がスタックしてしまい、動かすことはほぼできません。
伊勢神宮で貸している車いすはタイヤが砂利道用の太いものなので、その点は安心です。しかも無料。
ただし、事前の予約は受け付けておらず、台数に限りがあります。混雑期にはすべて出払っていて、待たされるケースが多くなります。
また、電動車いすは自分で操作できるタイプでなく、付き添い者が背もたれにあるコントローラーで前進後退や速度を操作します。この操作にややクセがあり、慣れるまで2,3分かかります。
そして、これが最も注意を要する点ですが、内宮は、参道の終点から正宮の拝殿に至るまでに25段の石段があります。スロープや手すりはありません。なので、車いすでの参拝者は、どうしても石段の下からの遥拝(ようはい)ということになってしまいます。
なお、外宮のほうは、参道と拝殿は平坦なので、縁石に気を付けながら拝殿前まで入ることはできます。
<伊勢おもてなしヘルパーによる車いすサポート>
私が個人的におすすめするのは、伊勢志摩バリアフリーツアーセンターというNPO法人が行っている「伊勢おもてなしヘルパー」というサービスです。
有料、かつ、事前予約制ではありますが、伊勢神宮で車いすを借りるよりも大きなメリットがいくつかあります。
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1 おもてなしヘルパーという専門スタッフが付く
介助や車いすの知識があるおもてなしヘルパーが、障がいの度合いや体調によって1~4名付き添い、車いすをアテンドします。簡単な観光ガイドも兼ねますので、そぞろ進みながら伊勢神宮の歴史やトリビアを聞くこともできるでしょう。
2 車いすがWHILLという専用電動車いすである
WHILLは360度どちらにも移動することができる電動車いすで、伊勢おもてなしヘルパーを利用する方専用です。乗り心地がよく、乗っていても疲れ方が全く違います。
3 拝殿前まで介助してくれる
参道を通って石段下まで来たら、WHILLから通常の車いすに乗り換え、その車いすをヘルパーが持ち上げながら石段を登ります。このため、普通なら石段下からの遥拝のところ、正宮が見える拝殿の前で参拝することができます。このことが一番のメリットかもしれません。
一方、デメリットとしては、料金が車いす1台につき5000円から11000円かかることです。料金の違いは、付き添うヘルパーの人数の違いです。このため事前予約が必須で、当日や前日の申し込みはできません。
また、伊勢おもてなしヘルパーのサービスは内宮のみで実施されており、外宮では行われていないことにも注意してください。