FPSの足がかりに「TF2」を
○はじめに
近年、e-sportsとしてゲームが新しい興行の形を発展させてきている。
そうしたe-sportsの中で、特に有名であろうジャンル、そう
「FPS(First-person shooter)」(一人称視点でのシューティングゲーム)
の存在は欠かせないものとなっている。
しかし、ゲームをあまりやったことない人からすると、FPSの心理的ハードルはそれなりのものとなっている話をよく聞く。
特に近年は、プロゲーマー、ストリーマーなどのネット上での活動をする人が増えたこともあり、
「プロゲーマーのようにうまいプレイが出来ておらず、勝てなくて気持ちが折れてしまう」
や
「イメージの悪い配信者の界隈がよくやっているのであまり近づきたいと思わない」
といった、ある意味で近年のゲームをとりまく環境に良くも悪くも左右されてしまう部分が存在している。
暴言が出ても気にすることが無いくらいだった時代とは異なり、金銭的・文化的その他もろもろの点でゲームそのものに対する参入条件が下がり、色んな人への門戸を広げつつある今、より多くの人にゲームを楽しんでほしい、
そう思った私は僭越ながら、少しでもそうしたゲームへのハードル、特に対戦要素が色濃く出やすいFPSの中で、最早大っぴらにやっている人など日本でほとんどいない斜陽ゲームを取り上げる次第である。
なお、TF2の情報を話す上で、筆者が他にやってきたゲーム(主にoverwatch、valorantの二つ、BFとCodにもちょこっと触れているかも)しれないが、もし万が一そういった比較を快く思わない方にはどうかご容赦いただきたい
さあ、皆も「TF2」をやってみないか─
○「TF2」というゲームの概要
今回ここで取り上げるTF2というゲームは正式名称を
「Team Fortress 2」
といい、2007年10月にvalve社から発売されたゲームである。
ジャンルとしては「FPS」とされており、先日見事販売15周年を迎えたFPS界の大ベテランと言っても差し支えないレベルである。
FPSではあるが、ゲームモードとしては、
2チームに分かれてのペイロード、旗取り、エリア確保など、チームマッチ前提のゲームモードしかなく、デスマッチなどの、バトルロワイアル形式のものが存在しない
といった、特徴が存在する。
プレイヤーはこの中からやりたいモードを選んで、9つのクラスからなる、一癖もあるキャラクターを選んでプレイをし、チーム毎での勝利を目指すものとなっている。
○TF2のキャラクターについて
さて、以上のような概略となっている、TF2であるが、私はこのような特徴を、TF2を知らないゲーム友人に説明すると、他ゲームとの違いを聞かれる。
そこでここでは、(私がやった限りのゲームであまり見られない)TF2特有のキャラクターに関するシステムを紹介する。
さて、先にTF2は9つのクラスが存在することを述べた。
この9つのクラス(といっても各クラス実質一人のキャラクター)にはそれぞれ特有のステータス(移動スピード、体力)が振られており、そのそれぞれの武器構成としては
・メインウェポン
・セカンダリーウェポン
・近接武器
が割り当てられており、プレイヤーはこの3つの武器を駆使してプレイを行っていく。
今回は例として9つのクラスのうち、demomanを取り上げる
このキャラの大きな特徴は、
・メインウェポンがグレネードランチャー
・セカンダリが壁や床に粘着式の爆弾を打てるランチャー
を装備している点である。
言ってしまえば、TF2切っての爆弾魔になるのである。
通常であればこのキャラは、敵に爆弾の雨霰を浴びせることができる。
しかし、このdemoman、実はTF2切っての剣士キャラであったりもする。
これを読んでいる諸君のうち、
「クラス系のキャラクターものFPSで1キャラでそんな属性過多になるのか」
と思う人もいるだろう。
ここに私はTF2の妙味を感じている。
TF2では、キャラの中でもさらに、メインウェポン、サブウェポン、近接武器を何種類かの中から選ぶシステムとなっており、それによって戦闘スタイルを大きく変えることができてしまうのである。
先に挙げたdemomanで言うなれば
・メインウェポンに剣
・サブウェポンに突進可能になる盾のようなもの
・近接武器にスコッチウイスキーの瓶
と言った構成にすることで、剣士キャラとしてのdemoman、通称「剣デモ」ができてしまう。
ここまでの変化でなくとも、たとえば「装弾数が減る代わりに1発あたりのダメージを挙げたグレネードランチャー」など装備の幅が広いので好みの武器を使うことがかなりしやすい。
キャラゲーなのだがキャラ自体の戦略の幅はかなり広い、なんとも不思議なゲームなのである。
◯TF2のゲーム的魅力
TF2のゲーム的魅力について私が感じていることを語ろう。
まず挙げられるのが
・エイムに対して細かいところまで考えなくてもいいプレイが十分可能
と言う点である。
このゲーム、最初の方でも述べた通り、ゲームシステムとして「チームで戦うことが前提のもの」しかないのである。極端なこと言えば、チームで勝てればいいのである。
したがって最初は取り敢えず味方と一緒に突撃して、適当に弾をばら撒くなんて程度でいいのである。
さらに言ってしまうと、先程のdemomanのように、メインウェポンがロケットランチャーのsoldierや、メインウェポンが火炎放射器のpyroのように、命中範囲の広い武器やそもそも近づければいいキャラなど、こうした細かいエイムに左右されなくとも十分戦えるキャラの幅が広いことも、TF2のとっつきやすさであると私は考える。
次に挙げられるのが、
・サクッと一戦マッチすることの気軽さ
である
このゲームは基本的に、12対12でマッチが行われる。この人数配分も絶妙だと思う。
最近FPSの中で流行っているvalorant、overwatch2は、チーム戦では1チーム5人、APEXでは1チーム3人と、チームあたりに必要な人数が少ないこともあり、フルパを組んだ方が強い(ストレスレスでもある)とされる。
これはちょっと頑張ればフルパを集められる、と言うことに由来している。(実際私もフルパでやった方が楽しいと思っている)
一方でフルパを組む場合、野良でも人を探す必要が出てくる。
TF2は12対12なので、最初からフルパを組むと言う発想に至らないし、至ったところで大半の人間にはフルパは組めない。
この不可能性は、ある種の諦めを私たちに感じさせ、1人でもフラッとオンしてプレイする物だと思わせる効果があると私は考える。
一方でなんだかんだで12対12ができるだけの人数は確保されているので、結果的にプレイできてしまう。物によっては1ゲーム15分くらいで終わったりするので、切り替えもしやすい。
こう言った緩さもまた魅力の一つである。
さて最後に挙げるのは
・カートゥーンチックなデザインとそのギャップ
である。
このTF2、キャラクターやマップデザインは思いっきりトゥーン調であり、どこかポップな感じがある。
しかし、ゴア表現が平然となされる。
例えば、爆発物でやられると平然と四肢は吹っ飛ぶし、火炎放射器で炙られると火がついたまま倒れる。
このアニメともリアル寄りとも言い難いアンバランスさがTF2らしさだなと思わされる。
公式でコミックス調の、設定エピソード等もあるので興味が湧いた方はそちらも見ると良いだろう。
◯終わりに
ここまで散々TF2を持ち上げる内容を書いてきた。一方でTF2に対して、合わないなと思う部分があったのも事実である。
しかし、私はTF2を通してオンラインFPSゲームの楽しさ気楽さを体感した。
これからFPSをやると言う諸君に対して、この記事が一つ足がかりになってくれるのなら幸いである。
良きゲームライフを
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