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念欲知足
今日はちょっとだけ、マインドフルネスのお話をします。
少欲知足と言う言葉があります。
元々は仏教用語で「欲を少なくし、足るを知る」
欲を少なくして、今あるもので満足する、という意味なのだそうです。
欲を追いかけると、一時的に幸せになります。
でも、欲には限りがありません。
行き過ぎてしまうと、あるところから、反対に不幸になりますね。
だから、あるところまでで、満足するというのは、いいなぁと思っていたのですが、
最近、少し疑問に思えてきました。
「欲を少なくって言われてもなぁ」って思ったのです。
だって欲は、どこからともなく心の中に湧き上がってきます。
例えば、貯金が100万円になった銀行通帳を見たら、そこで満足するより、もう少したくさんあったらなと、思うのではないでしょうか。
また、美味しいものを食べた時も、「あー美味しかった」のあとに、もう一度食べたい、あるいは、次は〇〇が食べたいなぁと、思うのではないでしょうか。
この欲というやつは、常に私たちを無意識の領域(潜在意識)から操っています。
ですので、これをいきなり少なくしろと言われても、かなり難しい気がします。
では、どうするか。
まず初めに、私たちがすることは、湧き上がってくる欲に気づくことだと思います。
気づくのです。
欲が湧き上がってきた時に、ガシッと掴まえてハッキリ意識してしまうのです。
でも、どのようにこの欲を意識するのか。
具体的には、
ある時、もっと美味しいものが食べたい〜という思いが浮かんだことに気づいたら
ガシッ!
今「もっと美味しいものが食べたい」と思ったなと、意識する。
またある時、もっとお金が欲しい〜と、思ったことに気づいたら
ガシッ!
今「もっとお金が欲しい」と思ったな、と意識する。
こんな感じで意識します
欲が浮かんでくる度にハッキリ気づくと、不思議なもんで、人間は、ハッキリ気づいたものには操られないんだそうです。
(そりゃそうですよね、もう無意識じゃないんだから)
でも、1つ注意しないといけないのは、このとき「また、美味しいものが食べたいと思ってしまった。ダメだなぁ私は」と、思わないことです。
良いとか悪いとか、判断したり、反応したりせずに、ただ気づくだけにします。
美味しもん食べたがってるなぁ、お金が欲しいねんなぁって気づくだけでいいんです。
初めは少し練習(このときにマインドフルネスが役に立ちます)が要りますが、何回もやってるうちに、だんだんと、うっすらした欲望に気づくようになってくると思います。
欲との距離がとれると、欲が少なくすることも、少ないもので満足することも無理なくできそうですね。
気づくことをよく漢字一文字で念と言います。
ですので、少欲知足は言い換えると、
念欲知足となるのでしょうか。
ちょっとと言っておきながら、長い話になりました。最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。