仏様。どこにいらっしゃるんですかぁー
先日、訪れた奈良市の頭塔の説明文には、石仏の内の一体が、大和郡山城の石垣に使われていると、有りました。
ということで、大和郡山城に石仏を探しに行きました。
お城の入り口の追手門てす。
さて、石仏様はどこにおられるのでしょうか。何人かの人に尋ねましたがご存じの方はいらっしゃいませんでした。
仕方ないので、双眼鏡を頼りに石垣をしらみつぶしに見ていきました。
探していると、城内にはこんなものがありました。
大和郡山城の石垣は石仏や墓石などの転用石が多く使われていることで有名だそうですが、
中でもこのさかさ地蔵さんが有名なのだそうです。
なりふり構わず石集めをしたことが伺えます。(うつ伏せに突っ込まれています〜
説明板の写真より)
お賽銭がたくさん投げ入れられていて、海賊の宝のようです。
2時間あまり探しましたが、広いお城のどこを探せばいいのか分からず、さすがに疲れたのでベンチで休みました。
でもまだ時間はあるし、諦めきれず気を取り直してスマホで手掛かりを探しました。
すると、「大和郡山城の石垣に使われた頭塔の石仏を見つけた」という、ある方のブログの記事を見つけました。
その記事を読むと石仏がいてるのは城内にある柳沢神社の参道脇の石垣のようです。早速行ってみました。
行ってみて上から見ましたが、それらしい石はありません。
どうやらお堀の下まで降りていくしかないようです。
こんなところを?大丈夫でしょうか?
石垣につかまり、お堀に落ちるのではないかとビクビクしながらソロリソロリと降りました。
下までいくとお堀はすぐそこ。
下から見ると今来た道はこんな感じ。
それらしい石がないので石垣の角を回り込んで少し先へ進みました。
すると石と石との間にすき間があり上の石の下面に何か彫ってあるのが見えました。
いたーっ
今日は、仏様とご縁があったようです。
いらっしゃいました。石仏の彫られた石は石垣の下から二つ目に、仏様の彫られた面を下にして隙間を空けて水平に積まれていました。
これでは上から見たのでは分かりません。近づいて覗き込まなければ見えないのです。
しかし、こんな所にいらっしゃるのを初めに見つけた人はすごいと思いました。ましてや、それがここから10キロ以上離れた遺跡に使われていたものだと特定出来たことに驚きました。
奈良市の頭塔の東面の7段目の仏様でした。全国に10件もない重要文化財の石仏の一つです。
仏殿を背景に、蓮の花に座した毘盧遮那仏と周りに4体の菩薩が彫られていました。
これは西面の7段目の石仏ですが、正面から見たらこのように見えると思います。
(史跡頭塔発掘調査報告
奈良国立文化財研究所発行より)
石仏は時々どこにいらっしゃるのか分からないことがありますが、こんなに探したのは初めてでした。
そして、お会いできてこんなに嬉しかったのも初めてでした。
帰りがけに1300年前の仏様にちょっと触らせて頂きました。