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毘沙門寺 和束町
和束「わづか」と読みます。京都府で一番たくさんお茶を生産している町で、宇治茶の約半分はここで作られています。美しい茶畑の景色は日本遺産に認定されていて、桃源郷になぞらえて茶源郷と言われています。また、日本の最も美しい村連合にも加盟しています。
毘沙門寺はそんな風景を臨む高台にあります。前もってお電話をしたのですが生憎つながらなかったので、突然お邪魔する形になってしまいました。御住職の奥様はそんな突然の来訪者を嫌がる風もなく、お掃除の手を止めて、お話を聞かせて下さいました。
奥様は、お若い頃大病をされ、あちこちのお医者さんを訪ねたが治らず、将来に対して大変悲観されておられたそうです。その時、御住職に出会われ、病気を治してもらうことができ、本当に救われたんだと話されていらっしゃいました。その後ご結婚され、今度は別の重い病気になったが、その時も御住職が護摩供養をして治して下さったそうです。
お話を伺いながら、奥様が御住職を如何に尊敬されているかが、ひしひしと伝わってきました。また、真言宗の修法がどれほど実用的で効果的であるのかも納得できました。
にこやかな表情で大変な経験をさもあたり前の様に話されるのをお聞きするうち、何だか私も元気になってきました。
お寺に行くと、仏様からだけでなく、仏様のような方からもお力を頂けることが時々あります。 お寺巡りをし始めた頃は、自分は仏様にお会いするためにお寺に行っているのだ、自分の目的は仏様にお会いすることだと思っていました。ですが、小さなお寺に予約をして伺うことが多くなり、それにつれてお寺の方とお話しすることが多くなると、仏様にお会いすることと同じくらい、お話を聞かせて頂くことを期待している自分がいることに、気付くようになってきました。