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破王戦第一局 BUTIYO破王 対 TSUTAYAディスカス六段

皆さんこんにちは。今回は、将棋界の歴史に残る珠玉の名局をご紹介したいと思います。巷は藤井六冠誕生のニュースで持ちきりでございますが、ここでは独創的でエネルギッシュな棋譜を取り上げることで、将棋の新たな一面に目を向けていただければと考えております。

序盤戦 ~油そば囲い~

それでは、局面の解説に参ります。後手のTSUTAYAディスカス六段が油そば囲いに組んだのに対し、先手のBUTIYO破王は箸攻めを選択しました。油そば囲いとはその名の通り油そばを模した囲いです。麺や油によって相手の攻め手を無くした、極めて安定した玉形とされています。一方で、端攻めならぬ箸攻めは、油そば囲いに非常に有効な戦術です。

定石は、ここで▲4四箸ですが…

▲5五酢!まさかあっさり調味料から手を付けるとは。少しもったいない気もしますが、油そばのアイデンティティである重たさを無効化する好手とも言えます。これはBUTIYO破王の研究手が炸裂しました。

ここから、△同筍(メンマ)、▲同箸左と進みますが…

△6四肉(チャーシュー)と、TSUTAYAディスカス六段はやや消極的な姿勢を見せます。この手が、本局の最初の分岐点と言えるでしょう。

中盤戦 ~止まらない味変~

TSUTAYAディスカス六段の緩手を、BUTIYO破王は見逃しませんでした。

▲5四辣油!

▲4四ニンニク!

▲3三卵!BUTIYO破王の味変が止まりません。

ディスカスは崩れた陣形の立て直しを図りますが…

ここにきてこんなカロリーを。▲5三乾酪(チーズ)と、胸やけのするような攻めが続きます。

終盤戦 ~強者はしっぽり締めに来る~

局面は先手勝勢となり、BUTIYO破王は勝負を決めにかかります。

▲1九ビール、▲2九おつまみメンマ、で必至をかけ、ディスカスは投了となりました。

投了図以下の解説

有段者の皆様に解説は不要かと存じますが、念のため投了図以下の解説を行います。

▲2八枝豆、▲1八旨辛キムチで盤石の構えですので、後手の投了はやむなしといったところでしょう。BUTIYO破王の独創的な構想が功を奏した快心譜と言えるでしょう。

本局のポイント

本局のポイントは以下となります。

油そばの器って、だいたい黒い

以上です。次回の棋譜紹介も、お楽しみに。

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