2_03_いつでも「説明する必要がある」と準備する
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例えば、あなたが、自動車メーカーの開発技術者だとします。自分が開発に携わった車の説明をするとき、どこに行っても同じ内容、同じ話し方、同じ持ち時間で話しますか?
説明する相手が、社内か社外かでも違ってくるでしょうし、社内であっても同じ技術者に話すのか、取締役に話すのかでも大違い。ましてや、社外だと様々な人がいるので、それこそ、新商品の説明会で報道陣の前で話すのと、近所の保育園で子どもたちの前で話すのとは、全く違ってくるでしょう。
また、それが、あらかじめ準備することができないタイミングで話しをしなければならなくなったとき、一通りの話しをすることができますか?
普段、仕事をしていても、「そう言えば、あれは、どうなりました?」と聞かれることなんて当たり前にあるし、子供の友達に、「車って、どうやって走るの?」と聞かれることがあるかもしれません。
こういうシチュエーションで、うまく対応することができますか?自信がないあなたは、これらに対応するために必要な能力を鍛えなければなりません。なぜなら、
ぶっちゃけ!
「急遽、『30秒で説明してください』と、強引なムチャぶりをされることなど、日常茶飯事だからです!」
しかし、こういうことを難なくこなせるようになるにはハードルが高い。だから、もし、これが難しいなら、「今進めている自分の仕事について」とか、「プライベートで今夢中になっていることについて」とか、極基本的なことで良いので、30秒で、1分で、10分で・・・という風に、時間に応じて、どのような内容を、どこまで話すと一通りの説明になるか?ということをシミュレーションし、いつでも話しができるように隠し持っておくことが必要です。なぜなら、
ぶっちゃけ!
「人前で、ちょっとスピーチする、というような小さいことを積み重ねようとすると、それ相当の努力が必要だし、あなたが、影で努力をしている人かどうかを見てくれている人が必ず居るからです!」
”いつ何時、どんなタイミングであっても、どんな場所であっても、どんな話題であっても、話しを振られたら話し始めなければならない。”これがプロのサラリーマンの不文律です。
”説明を求められたので話し始める”ということもあるでしょうし、”意見を求められたので話し始める”ということもあるでしょう。こういう場面は、本当に、急に訪れますので、”何を話そうか・・・”と、いろいろ考えている時間はありません。否応なく、話しはじめなければなりません。最初の、「えー、」と言ってる間に、ほぼ、話しの構図が完成されていなければなりません。
ここで言う”話しの構図”を完成させるために必要なことは、”相手は誰だ?”とか、”その相手はどのようなところに興味の中心があるのか?”とか、”持ち時間はどれくらいなのか?”とか、そういうことを考えるということです。あなたは、このような”話しの構図作り”が、瞬間的にできますか?自信がないあなたは、必要な能力を開発し、鍛えていかなければなりません。
中でも、一番鍛えなければならないことは、
「相手の興味に合わせた内容で話す。」
ということです。
みなさんは、”エレベータートーク”というのをご存知でしょうか?
これは、いわゆるショートプレゼンテーションと呼ばれるものの一種で、エレベーターに乗っている数十秒程度の時間で自分が説明したいことをダイジェスト版で伝えてしまうというものです。この手段の発祥地は、アメリカのシリコンバレーだと言われていています。起業家が投資家から資金を提供してもらうために、偶然同じエレベータに乗り合わせたかのようにして同乗し、投資家がエレベーターを降りるまでの間にプレゼンテーションをし、”それ面白そうだね”と言わせてさらに時間を取ってもらったということに由来すると言われています。
こういう事例は、起業するための文化も社会的インフラも成熟しているアメリカならではというお話しであり、なかなか日本のビジネスシーンでは考えにくいことではありますが、これを日本企業の日常に置き換えた場合でも、全然あり得ない話しではないと思います。
例えば、これが中小企業の場合、企業規模が小さいために、社長も含め全社員が一つの建物の中で仕事をしているということも珍しくないでしょう。そういう環境であれば、社長はじめ経営層のメンバー、いわゆる”偉いさん”とエレベーターで一緒になることなど、よくあるシチュエーションなのではないでしょうか。同乗した瞬間からの数十秒間こそが、あなたに与えられた絶好のチャンスです。
もちろん、前提として、誰がどういう興味があるのか?ということくらいはは知っておかないといけませんし、知る努力をしなければなりません。もしも、わからなければ、上司や先輩に聞いてみるのも一つでしょう。
「もし、こういうシチュエーションのとき、どのような話しのレベルがベストですかね?」と。
例えば、経営陣を相手にする場合、「最近、こういう傾向になってきている。なので、ここ2、3年は、業界として、○○というトレンドになっていくのだろうと思います。だから、うちの会社がやっていることも、もう少し、○○という方向に荷重をかけていくことが必要なのかもしれません。」というような、経営陣にとって有益だと思われる話しをすることが大切です。ここで、自分の仕事の細かいことを話すことは、全然だめなことではありません。普段接することが少ない人にとっては、興味を持って聞いてくれる可能性もありますので、構わないと思いますが、最終的には、経営陣にとって興味があることに落ち着けることが重要です。
また、例えば、自分の上司を相手にする場合、”今の仕事の進捗状況を、いつもに増して詳細に報告する。”というのは基本中の基本。これに加えて、今の仕事を通じてわかったことや、それに対する自分なりの感想や意見を話すことが大切になります。直属の上司でさえ、細かいことはわからないことも多いので、「そうなの?なるほどね。」ということも往々にしてあるはずです。だから、そういうことをしっかりと織り交ぜていくのも大切。そして、「もっとこうしたら、もっと良くなると思います。」というような改善施策についての話しとかも良いですね。あと、さらに付け加えるなら、仕事を通じて、「やっぱり自分はこういうことが向いているとか向いていないとか、こういう方向でキャリアを積んでいきたいとかいきたくないとか。」そういう自分の職業観のようなものについての意見も入れていっても良いと思います。相手が課長レベルであるのなら、メンバーの希望を把握して、最も活躍できるように考える、というのも仕事の範疇に入ってきますので、そういった情報が得られることについては、大喜びであるはずです。
わざわざ形式張って、月次の面談を開催する必要がないくらいの関係を構築できると素晴らしいですね。
しかし、そうは言っても、あらゆるシチュエーションにフレキシブルに対応するのは至難の業。ですから、普段から、仮想的に相手を設定し、どのような話しをすることが最も有効かを想定しておくことをお勧めします。
では、あらかじめ話す内容を準備するときに最も重要なポイントは何か?
それは、”時間”です。
1分あるのかないのか、5分あるのかないのか、30分話す必要があるのかないのか。同じ話しをするにしても、時間の制約がある中で、話しの内容を、どのようにアレンジするのか?これが最も大切で、かつ難しい作業になります。
私は、野球が大好きで、プロ野球のシーズン中は、野球の情報を得ようと、テレビやインターネットなど、様々なメディアを見ます。テレビの場合は、中継を見ることもあるし、スポーツニュースを見ることもあります。また、インターネットの場合は、ニュースサイトで済ませることもあるし、1球1球状況を伝えてくれる中継サイトを見ることもあります。
では、そのときどきでチョイスするメディアの違いは何からくるのか?それは、”そのときに使える時間”です。
例えば、時間があるときはゆっくり中継を見るし、時間が無いときは、リアルタイムに情報を得ることができず、スポーツニュースを見る。という具合です。
これらの情報の特性は、”時間が長くなると詳細になり、逆に、時間が短くなるとダイジェストになる。”ということです。
時間が短くなればなるほど、どんどん情報が削ぎ落とされ、本当に伝えなければならないことに集約されていく。話すことができる時間の長さに応じて、話し方を変えなければならない、ということです。
ですので、あなたが、何か、話しの準備をする場合、同じ内容の話しをするにしても、持ち時間の長さに応じて、いくつかのバージョンを用意しておきましょう。
これまでのお話しより、相手の興味に応じて話す内容をアレンジするということと、時間の長さに応じて話し方をアレンジするということが大切であるということ。そして、時間のバリエーションを考えながら、話す内容を事前に準備しておくと良い、というお話しをしました。
こういうことを続けていると、急に話しをすることになっても慌てなくて済むし、それが高じると、事前準備なしでも頭の中で、瞬間的に、話しの構図を組み立てることができるようになってきます。
そうすれば、「あの人の話しはわかりやすい。」とか、「あの人は急遽話しをすることになっても、しっかりした話しができる人だ。」と、周りの人から高い評価を受ける人になることでしょう。
そういう目で見てる人、そして、そういう評価をしている人、あなたの周りにも、必ず居るはずなので、”常に評価されているはず!”と思って、いつでも「説明する必要がある」と準備することに努力を惜しまないでください。
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