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2_06_”役職は単なる役割”という考え方
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「役職が上の人が偉くて、そうでない人は偉くない。」と考えている人はいませんか。「役職が上の人の仕事が難しくて、そうでない人の仕事は難しくない。」と考えている人はいませんか。「役職の上の人の言うことが正しくて、そうでない人が言うことは正しくない。」と考えている人はいませんか。
もし、これらを本気で考えている人がいるとしたら、今すぐに、考えを180度転換することをお勧めします。なぜなら、
ぶっちゃけ!
「役職は、組織の中での職種のようなものに過ぎず、単なる役割のようなものに過ぎず、仕事の内容に対する優劣なんて、そもそも存在しないからです!」
社長が居ないと会社が成立しないのと同様に、現場で仕事をする人が居ないと会社は成立しません。社長が会社の方向性を示さないと会社が動かないのと同様に、現場で仕事をする人が指示どおりに仕事をしないと会社は動きません。これは社長だけに、はたまた、現場で仕事をする人だけに限ったことではありません。
会社の規模や業種・業態によって差はありますが、今、あなたの組織に存在している役職は、必要だからそのポストが設定されているはずであり、必要もないのに用意されているはずもありません。時代の流れか、社内の事情か、何によるものかはわかりませんが、その役割を終えた役職は、いずれ無くなります。ですから、今、組織に存在している役職の中に、無駄なものはありません。
その昔は、ポストのためのポストというのがあったようです。”副”とか”代理”とか”補佐”とか、本当に必要なのか、と思うような役職もあったようですが、時代と共に少なくなりました。やはり、”必要ない”と判断した組織が増えた、ということですね。しかし、今でも、そのような役職があるところにはあります。それは、引き続き、本当に必要だから存在しているのだと思います。
では、そもそも、なぜ組織には役職が必要なのでしょうか。これに対して、私は、
”役職とは、組織の中で、どんな内容の仕事を遂行する役割にあるかを明らかにするために必要である。”
と考えています。
例えば、社長なら、”会社に関係する一切の事象についての責任を負い、会社の将来を見据え、向かうべき方向性を定め、その方向にリーディングすることで、未来永劫続くことが許される、社会の役に立つ組織を作り続ける。”という感じでしょうか。
例えば、課長なら、”現場のトップでありながらも、経営陣のボトムとして、両者をつなぐトランスレーターとして存在し、課の目標を掲げ、課員全員のキャリアを考え、個の力が組織の力となるようにマネジメントする。”という感じでしょうか。
では、社長や課長といった役職のない、いわゆる一般社員には役割はないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。自分の担当範囲の仕事を最高のクオリティと最高のスピードで実現させるということも重要な役割ですし、先ほども、”指示どおりに仕事をしないと・・・”と言いましたが、チームの方針に従いつつ、マネージャーに対する善きフォロワーとして活動するという役割もあります。
とにかく、組織の中で、役割のない人は居ません。そして、役職も役割に過ぎません。
私は、以前、”人材能力開発系”のセミナーを受けたことがあります。”人材能力開発”と言っても、例の、”一度、自我というものを壊すところから始めよ!叫べ!祈れ!”と言った、あの手のものではありません。”二人以上集まって、組織となった瞬間から役割の定義と役割分担が必要になり、その役割を担当するものは、真摯に役割を全うし、自分が担当していないものについては、その役割を担当するものが、役割を全うすることができるように協力することが重要である。そして、自分がどんな役割を任されたときに最も力を発揮することができるタイプなのかを知りましょう。”ということを、ワークショップ等を通じて理解するというセミナーでした。
そのセミナーの講師は、所属する組織の代表の方だったのですが、その方は、「本当は、自分は組織のトップで仕事をするようなタイプではないのです。しかし、今、そのポジションで仕事をする以上、その役割を全うしなければなりませんし、周りの仲間も、代表としての意見を求めるし、代表として判断するよう促してくるので、頑張っております。”適材適所が重要ですよ”と言ってるセミナーを主催する組織の代表としては、だめなのかも知れませんが、小さい規模の組織ですから、そこはご勘弁を。」と言っておられたのを思い出します。
ときに、”あの人は、自分の役割以上のことまでやっておられて、本当にすごい人だね。”という噂を聞くことがありますが、もし、この噂が本当だとすると、その人の能力向上のためには良いことなのかもしれませんが、役割を意識して仕事をすることを考えると、全然すごいことだとは思いません。
本来、その範疇の仕事をしなければならない人に対して、役割を全うするように促すことが筋だし、それができないのなら、その、役割以上のことをやっている人を、その役割を担うことを本職とするべく、その役割に就けるというのが本来だと思います。
役職も単なる役割に過ぎず、分担しているだけ、と言うのなら、なぜ、一般的に”偉い”とされる役職の人は報酬が高く、そうでない人は報酬が低いのでしょうか。
それは、取る必要があるリスクの大きさの違いによるもの、と言って問題ないでしょう。
先ほども、”例えば、社長なら、”ということで私なりの役割に対する解釈を述べましたが、役職が上がるほど、責任を持つ範囲が広くなり、社長にもなると、”会社に関係する一切の事象”が責任範囲になりますので、どんな些細なことも、それが重大な問題を引き起こすなら、社会的責任を負うべきことになるのなら、”知らなかった”では済まされません。それほど、社長が担うべき責任の範囲は広く、重いからこそ、その責務に対する対価が報酬という形で支払われているのだと言えます。
株式会社の場合、会社全般に渡って、広く責務を負うのが役員です。だから、その責務に対する対価として高額な役員報酬が支払われています。
やはり、役職が上がっていくに連れて、そもそも、”それが正解”とされるものがない、という現象が発生します。考えなければならない範囲がやたらと広く、そして、どの組織にも同じように当てはまるとは限らない。だから、後から、結果としてしか判断できないようなことも非常に多い。
そういう意味で、冒頭で述べた、”役職が上の人の仕事が難しい訳ではない”というのは、もちろん誤りではありませんが、”役職が上の人の仕事はわかりにくい。”ということは言えるかもしれません。
普段接する機会が少ないから、というのはありますが、そもそも、担当する仕事の内容自体、役職が上に行けば行くほど、わかりにくくなると思いますので、普段から、”課長って、部長って、社長って、どんな役割を担っているからその役職なんだろう。”と意識しておくことと、自分なりに妄想しておくことが大切だと思いますし、その役割にある人と接する機会がある度に、自分の妄想に対する答え合わせをすることをお勧めします。
私が、新入社員として会社に入ったとき、家が近所だったということもあり、当時の部長には、食事に連れて行ってもらったり、本当にかわいがってもらいました。そのときにお話しいただいた内容で、一番印象に残っているのが、「自分のキャリアを考えていく中で、どのようなポジションで働きたいか、ということが早めにわかるようになるといいね。」というお話しでした。
そのときは、ほぼ、意味がわかりませんでしたが、それから17年。役職としては一般から始まって、主任、係長、課長、次長を経験しましたし、役割としても、開発技術者、プロジェクトリーダー、SE的な上流の仕事も経験してきました。
そうやって仕事をしていく中で、自分がどういうところで、どんな仕事をしていきたいかというのがどんどん明確になっていきました。
そういうことを考えようとすると、今、正に目の前にしている具体的な業務だけではなく、それを必要とするスキルとか持っておくべきマインドとか、そういうメタ的な思考が必要だということもわかってきました。
ですので、今は、役職だ、役割だ、ということについて、あまりよくわからなくても全然構いませんので、自分なりに、「どんな役割を担うことができれば、どんなレベルで仕事をすることができれば、自分にとっても、みんなにとっても、良いことなんだろう。」と考えていただきたいと思います。
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