見出し画像

2_02_”相手の理解レベルを把握する”という考え方

このnoteは、投げ銭スタイルで投稿しております。
最後までお読みいただけると嬉しいです。

パソコンの操作がわからず、後輩から助けを求められたとき、どのような対応をしていますか?ろくに話しも聞かず、早速パソコンを触りはじめたりしてませんよね?または、「こういう操作に卓越することこそが、君の将来において・・・」なんて、説教臭い話しは、してませんよね?
エレベータで、たまたま会った他部署の上司に、「最近どう?」と聞かれたとき、どのようなお話しをしていますか?まさか、さっきまで計算が合わなくてこまってたExcelの関数の話しはしてませんよね?
なぜこんな問いかけをするのか・・・それは、

ぶっちゃけ!
「前提条件の確認を怠っているがゆえに、いつまでたっても対話が平行線をたどり、目的すら見失ってしまっていると思われることが、よくあるからです!」

今回のぶっちゃけ!のタイトルに含まれる、”相手の理解レベル”という言葉には、二つの意味があると考えています。
一つは、そのものずばり、”相手が物事を理解する能力を把握する”という意味。そして、もう一つは、”相手が(そのことを)知っているか知らないかを把握する”という意味です。順に紐解いてみましょう。

まずは、”相手が物事を理解する能力を把握する”という意味について、です。

これは簡単。そのものずばりです。同じものを見聞きしても、「なるほど!そういうことか!」と、理解する人もいれば、「は?」と、理解できない人もいます。その道に対する精通度の違いなどもあり、一概には言いがたいところもありますが、どんな分野に対峙したしたときにも、”理解力”ということにおいて、人それぞれに持っている基礎能力的な、いわゆるポテンシャルと言えるようなものに差があることは認識できるでしょう。
”はじめてにしては良く理解できている”とか、”ずっとやってる割には覚えが悪い”という差が生じるのも、そういう基礎能力的な差によるものだと思います。
それは、元々の頭の良し悪しというそもそもの問題に起因しているのかも知れませんし、単純に、年齢や経験の差が能力の差を生んでいるかもしれません。さらに、年齢の差も少なく、同じような経験をしてきた場合でも、それらを受け止める感受性の差が物事を理解する能力の差を生んでいるかもしれません。
いずれにしても、何かを伝える場合、受け取り側の人の違いが、そのまま、受け取り側のポテンシャルの違いになりますので、受け取り側が、どの程度の理解レベルを持っているのか、ということをしっかりと見極めて、それに合わせて話すということが非常に大切になると思います。

これは、逆の立場、つまり、自分が、何かを伝えられる側になったときのことを想像するとわかりやすいと思います。
相手が、自分の理解力のレベルを知ってくれていることにより、”もう少し噛み砕いて説明をした方がいいな。”とか、”この程度の理解は問題ないはずなので、サッと進めても大丈夫だな。”とか、自分の理解レベルに合わせて、内容やスピードをコントロールしてくれると、本当に理解が進みます。
話しの内容が、自分の理解レベルを上回るとしんどくなってくるし、逆に下回ると退屈になってくる。だから、”この人の話しはいつもわかりやすい。”と感じる人がいる場合、もちろん、伝え方が上手という、そもそもの土台はあるにしても、そのわかりやすさは、相手の理解レベルに合わしているがゆえのことなのかも知れません。
もっとも、こういうことができる人は、自然に相手のことを把握して、自然に相手に合わせて話しをしているはずなので、裏でそういう努力をしているはず、ということにさえ気が付かないかもしれません。そして、もっと言うと、”裏でそういう努力をしているかもしれないな”ということに関心を寄せたり、洞察しようとすることも、人それぞれの感受性の問題なのかもしれません。
したがって、もしあなたが、こういうことを自然にできるようになろうとするのなら、自分が伝える側の場合はもちろん、自分が伝えられる側の場合においても、”理解レベルに合っているかどうか”ということを意識してコミュニケーションをとることをお勧めします。

次に、”相手の理解レベル”という言葉のもう一つの意味。”相手が、(そのことを)知っているか知らないかを把握する”ということについて、です。

『私が、まだ大学生だった頃、退屈な講義というのがありましたが、その原因は、”教授が、学生の知識や能力を把握していない。”というところにあると思われる。』ということを、『1_14_「あらかじめ」があるかないか。』でお話ししました。
講義の内容が、めちゃくちゃ簡単か、あるいは、めちゃくちゃ難しいとき、講義が退屈になります。難しい場合も困りものではありますが、教授からの愛のムチだと思って、”自分たちもまだまだだな”と思って、我慢するしかありませんが、簡単な場合は論外です。”学生たちが、高校時代に、どのレベルまで履修してから入学しているのか?”という、ちょっと調べればわかるはずのことを怠っているだけだと思われるからです。
この例のように、情報を伝達する相手が、どんなことを知っていて、どの程度知っているのか、ということを把握することは、職場においては、非常に重要なことです。

先日も、経営陣が出席する重要な会議で、”知っているか知らないかを把握して、適宜話し方を変える。”ということが非常に重要であるということを痛切に感じたことがありました。
その日は、その重要な会議で、私が、今取り組んでいるプロジェクトについて、中間報告をすることになっていました。このプロジェクトは、まだプロジェクトと言ってはいけないくらい小さかった初期の段階からすれば、もう1年以上の時間が過ぎていました。ですから、経営陣へ報告するということについては、もう幾度と無く実施してきましたので、これ自体、何の問題もありません。
しかし、先日の会議から、会議の開催形態が変わったことにより、”これまでの会議に出席していなかった(複数の)方が新たに出席されることとなった。”という、私にとっては大きな変更がありました。報告する側にとっては、これは本当に辛い。というのも、「これは、前回までにご説明したとおりです。」が、通用しないので、報告がものすごく難しくなってしまうからです。かと言って、これまでに説明した内容を、もう一度、最初に説明したときと同じように説明していたのでは、既に説明を受けた方は退屈してしまう。
だから、説明をしながら、”この部分は、これまで出席していなかった方のために説明が必要か?”を考えながら話し、説明が必要な場合でも、決して長くならず、要旨だけをシンプルに、必要最低限の内容を伝え、これまでのことを知らない方にもわかりやすく、かつ、これまでのことを十分知っていただいている方も退屈しないギリギリの線になるようにして話しました。
認識にばらつきがある以上、そもそも、全員から満点をもらえるような結果を得ることは難しいところではありますが、頑張って気を遣いましたので、この会議は何とか上手く乗り切ることができました。

しかし、ここで一つ注意しなければならないことがあります。それは、”相手が知らないことだからと言って、全てが全て、詳細にまで説明することが、必ずしも正しいとは限らない。”ということです。
冒頭の例のように、上司に対して、現場レベルの細かい業務の話しをしても仕方ありませんし、要領も得ないでしょう。そもそも仕事をしているステージが違うので、関心を寄せる対象が、全然違ってたりすることもよくあります。そういうことを認識せず、延々と説明されても困るだけです。
そう考えると、会社という世界一つとってみても、”上司”と言っても、直属の上司もいれば、もっと上の上司もいる。”同僚と言っても、先輩もいれば、後輩もいる。部門が違ったり、キャリアが違ったり、スキルが違ったり。これに社外の人々のことも含めると、それこそ何もかも違う人だらけです。どれほど自分と立場が近かったとしても、基本的に、”相手は自分とは背景や前提となるものが全く違う”と考えておく必要があるということです。

ここでは、”相手の理解レベルを把握する”ということを題材にして、物事を伝える際に気をつけたいことをお話ししましたが、ポイントは、”自分が話さないといけないこと”だけを考えるのではなく、”相手が聞きたいこと”をよく考えて、それにマッチするように話す内容をアレンジする必要があるということと、その前に、”相手が聞きたいこと”を思い描くためには、相手のことをよく知ることが何よりも大切である、ということです。

そのためにも、まずは、普段から、よくかかわる人々に関心を寄せて、理解レベルを把握しようとすること。つまり、”相手の理解レベルを早く掴みたい。そして、レベルにマッチしたお話しをすることで、相手の理解を助けたい!”と思うこと。要するに、”人のこと、良く見てあげてね。”ということです。
普段から、よくかかわる人々で訓練しておけば、初めてお会いする人に対しても、きっと上手くいくはず。そんなに大きく外してしまうことはないでしょう。

やはり、相手のことをちゃんと見るということは、本当に大切です。
あなたの、そうした努力に気がついたとき、誰しも、「そんなにも見てくれてるんだ」って喜んでもくれるし、「だから信頼してる」って思ってもくれるだろうし。結局は、何らかの形で、我が身を助けてくれることになると思いますよ。

Twitterやってます。
https://twitter.com/admin_butchake

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?